「子どもの悩み」を解決! 親が気になるカラダのギモンQ&A②
2013年12月15日
コラム今回も「子ども」のカラダのギモンについて、2つ紹介します。ひとつは成長期で伸び悩むお子さんのお話と、食の細いお子さんについてのお悩みにアドバイザーが答えます。冬本番ののカラダづくりにご参考にしてみてください。
構成●戸塚美奈、編集部 写真●編集部
※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.24冬号』P58-61より転載
Q.成長期に入って、子どもが伸び悩んでいる……。
20M先のゴミ箱にボールを投げるゲームで、10回のうち何回入るでしょうか。最初は1回も入らないかもしれませんが、1万回も練習すれば、8回や9回は入るかもしれません。その上達の過程をみると、成績がぐんと伸びた時期やあまり変化しなかった時期、時には成績が少し低下した時期があるはずです。こうした道筋を辿るのは自然なことです。
心理学では、ある技能レベル以上の場合で成績が停滞する時期を「プラトー」、熟達者に生じる成績の低下を「スランプ」、一定期間の休憩後に成績が向上することを「レミニッセンス」と言ったりします。また、サッカー協会は、思春期前後に生じるぎこちない動きのことを「クラムジー」と呼んでいます。
では、どうして順調に上達していかないのでしょうか。それは技能の複雑さ、練習方法、疲労の蓄積、やる気や集中力の低下など、様々な要因が原因となっていると考えられます。別の見方では、より上達するために、これまでとは違うやり方を学び直す必要があるとも考えられます。発達的にみると、背が高くなったり筋力が増えたりしますので、それに適した技能を習得するためとも言えます。
成長期の子どもの伸び悩みに対しては、まずは誰もが辿る道と考え、保護者としては「待つ」ことが必要です。子ども自身の気持ち、指導者の方針などで休まずに試合や練習を続けることもありますが、仮にオスグッド病などになっていた場合、悪化させてしまいます。子どもの成長には時間が必要なのですから、焦らずに休む・休ませる勇気が必要なのです。次に、リフレッシュできる環境あるいは練習内容を準備することが大切です。また、より知識の豊富な専門家にアドバイスを求めるのも良いかもしれません。いずれにしろ、子どもの場合は、楽しく練習できていれば、必ず上達していくものです。
アドバイザー
奥田援史先生
滋賀大学教育学部准教授。運動心理学が専門で、双生児研究や早期教育について調査をしている。サッカーは、小学1年から始め、関西高校ユース代表になったことがある。スポーツ少年団のコーチもしたことがある。現在、滋賀大学教育学部サッカー部監督。
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