コラム

なかなか結果が出ないうちのチーム

2012年03月13日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは「なかなか結果が出ないうちのチーム」です。

◎試合(試合で修正したい悩み)

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(質問者:小学4年生コーチ)

小学校4年生の指導をしています。出版されるたびに池上さんの著書を購入し、熟読させていただいてます。池上さんが実践されていることを真似して指導に当たっており、確かに伸びる子、まだまだの子、多々います。でも、試合になると、なかなか実力が発揮できず(緊張して試合が落ち着かない?)この1年間、全く結果が出ません。著書にあるように、指導者が結果を求めだしたら、子どもはつぶれると書いてありましたので、自分の感情を抑えつつ指導に当たっています。そろそろ結果を出せるようにしたいのですが、どうしたらよいですか?

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大事なのは「勝ちたいのは誰か」
「どうしたら勝てるのかな?」の問いかけを

 講演などでよく聞く話です。子どもに考えさせなくてはいけないのに、つい口を出してしまう。わかっているけれど、つい教えてしまう。そう。一番結果を出したいのは、他でもない指導者自身なのです。

 例えば、こんな話し合いをしてみませんか。

 「なかなか勝てないね。コーチはそろそろ勝ちたいなあと思っています。みんなはどうですか?」そこで、子どもたちが「僕らも負けてばかりは嫌だ。勝ちたい!」と言えば、「じゃあ、どうしたら勝てるのかな? みんなで話し合ってみようか」と投げかけてみてください。

 もっと練習をしたほうがいい。こんな練習を増やしたほうがいい。練習試合をたくさんしたい。もしくは、通常の練習を「もっと真剣にしないとダメだ」などといったいろいろな意見が出てくると思います。具体的にそれぞれのポジションを変えてみることなども出てくるかもしれません。そこをうまく選択して導いてあげると、それまでとは違う変化が出てくると私は思います。例えば、質問に書かれているように、緊張して試合が落ち着かないのなら、どうして緊張するのかを話し合いましょう。間違いなく個々の取り組みやチームの雰囲気は変わるのではないでしょうか。大切なのは「誰が勝ちたいか」です。

 卒団する6年生まで、おおらかに観てあげてほしいとも思います。6年生でここまでできなければダメ、などと決めつけて逆算してはいませんか。子どもはどこで伸びるかは誰にもわかりません。1年から6年生までを何クル―かを指導すると、そのことを実感できると思います。

 著書に書かれてあることと同じですが、小学生年代の一番の目標は「サッカーを大好きにさせること」です。勝利を求めるあまり、サッカーを嫌いにさせてしまうような指導や、子どもの自由な発想や自立する力を奪うやり方は避けてほしいという願いを本に込めています。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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