縦割りの練習、危なくない?

2012年12月04日

育成を考える

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回のお悩みは規模の小さいクラブで起こり得る3年生から6年生が混合して練習をするケースのご相談です。

◎練習(トレーニング場面での悩みやギモン)

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(質問者:小学3年生の保護者)

 息子は小さなクラブチームに所属しています。小さなクラブチームなので、学年によっては人数が足らずに試合に出られないとの理由で、4年生のチームに入って練習に参加しています。その4年生チームが5・6年合同チーム(人数が少ないため)と試合形式で練習する時間がよくあります。
 5・6年合同チームは、4年生チームに負けるわけにはいかず、全力でプレーしてきます。当然4年生チームは毎回こてんぱんにやられて、一度も勝ったことがありません。人数が足りないのはわかりますが、なぜ試合形式での練習相手を4年生チームがやらなければならないのかがわかりません。

 先日は6年生が思い切り蹴ったボールが、至近距離で3年生の息子の頬に当たってしまいました。それ以来、息子は「ボールが怖くて積極的に相手に近づくことができなくなった」と言っています。それに、試合などで、同学年でも背の高いチームと当たると、「背の高いチームには勝てないと思う」と試合前から言うようになりました。サッカーは激しいスポーツなので、ぶつかり合ったり、ボールが当たって痛い思いをすることは否めないと思います。

 でも体格差のある、3歳も年の離れた相手と本気でぶつかり合うのは、ケガをしないだろうかとか、痛い思いをしてサッカーに対し変なトラウマを植えつけられないだろうか、と心配です。母親の立場から言わせてもらうと、危険の伴う練習はしてほしくないと思ってしまいます。ひょっとしたら、大きい相手に臆することなく向かっていく練習を兼ねているかもしれませんが、それならば、もっと他にいい練習がないものでしょうか。過保護な意見になっているかもしれませんが、上記の練習を池上コーチはどう思われますか?

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縦割りの練習は成長につながります。
身守ってあげましょう

 私の経験則からいうと、3年生くらいが6年生とプレーすることは何の問題もありません。蹴ったボールが当たることを心配しておられるようですが、3年生でもジャストミートしたボールが当たれば結構痛いもの。私が市原市で運営する無料のサッカースクール(市原プレイパーク)では、小学1年生から6年生まで全学年がまざって練習しています。今の子どもは、強い相手や上手い相手と相対することを避けたがりますので、日常的に上級生とやる時間が多いのは成長につながります。かえってよいことだと思います。

 ただ、ひとつ、指導者サイドとして考えるなら、ひるむ下級生への気配りです。例えば、ミニゲームのときに1年生が6年生に対してひるむ態度が見えた場合、私は1年生側に入って「大丈夫!いくよ!」と声をかけ、ボールをキープする6年生を一緒に追いかけたりしました。そうすると、最初は怖がっていた1年生が6年生に向かっていき始めるのです。
  また、サッカーボールは、怖がって逃げているとかえって当たったりして痛い思いをしますが、追いかけていくと当たらないものです。「危険の伴う練習はしてほしくない」と書かれていますが、そういうものではありません。スポーツですから、ボールが当たって泣くこともあります。

 ご相談の方のチームのコーチは、間違った指導をしているとは思えません。ぜひ見守ってあげてください。そのうちに、上級生は手加減したり、やさしいパスを出したりするようになりますし、下級生は上級生に向かっていけるようになるものです。

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