コラム

練習も試合も1・2・3軍の技量別に分けるってOK?

2013年02月05日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回は選手を1軍から3軍と技量別に分けて教える指導法についてのご相談です。

◎練習(トレーニング場面での悩みやギモン)

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(質問者:小学生の指導者兼保護者)

指導者兼父兄です。3年以下のサポートに回っていますが、1・2年生と3年生各学年、人数が多いのはわかりますが、「格付け」のように指導者が1軍・2軍・3軍と技量をわけて練習やゲームをしていることが気になります。私自身、上級の指導者さんに教えていただいたものは、3年までは自由に楽しくがモットーだったけど、技量でランク付けをしていることで、父兄の方が見たり、子どもにとっても、2・3軍に分けられた子はやる気をなくしてしまうではないかと思います。どのように伝えて、均等に練習をすすめたらいいかアドバイスをいただけたら幸いです。

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レベル分けする意味とその効果を
コーチ間で確認しよう

 技量別のチーム編成は、よく耳にする問題です。ジュニアのレベル分けは、そもそも日本のスポーツの昔からの習慣からきているようです。スポーツのトレーニングは、能力が同質の者が一緒に行うのがよいとされてきました。ですので、お子さんのクラブのコーチも何の疑いもなく、子どもたちを技量別に1軍から3軍に分けているのでしょう。

 もし、3つに分けたチームでそれぞれの技量や子どもの状態に合わせた指導が行われているのなら、私はチーム分けをして別々に練習や試合をする意味があると思います。取り組む練習メニューや指導者の声がけが変わり、子どもは上達するでしょう。

 ところが、多くのクラブで行われている技量別のチーム編成は、目の前の試合や大会に臨むことが目的である場合が多いようです。技量別に分けても、メニューや指導の内容が変わらない。もしくは、1軍は広いピッチで実戦的な練習ができるのに2、3軍は隅のほうでドリブル練習しかできないといった、子どもや保護者が不平等感を抱くこともあるようです。

 ご相談の方の実状はわかりませんが、保護者の方が「子どもがやる気をなくすのでは?」と危惧されていることから、上記と似たような状況ではないかと推測します。1軍にいれば楽しくて3軍では楽しくサッカーができないということでは困ります。レベル分けしても、1軍から3軍までみんなが楽しくサッカーできる、どの保護者も納得できる指導の仕方とチーム運営を心がけてほしいものです。

 相談された方はスタッフのひとりのようですので、コーチ会議などで各軍のコーチに確かめてはいかがでしょうか。それぞれ楽しくサッカーができているのか、いないのか。レベル分けすることの効果や、レベルごとにどのようなトレーニング、指導をしているのか。あくまで感情的にならず大人の態度で話し合いができるといいですね。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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