コラム

池上コーチの一語一得「勝利優先のため同じメンバー、同じポジション。それでいい?」

2013年08月06日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回は試合になると同じメンバー、同じポジションで固定するチームの親御さんからのご相談です。

◎自宅(ピッチ外での子育ての悩み)

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(質問者:小学4年生の保護者)

小学4年生の息子の父親です。息子は週2回、地元のサッカーチームで活動しています。3年生の途中から、今のチームに移籍しました。内気な息子ですが、月日が経過しコーチ、友達にもすっかり慣れて喜んで練習に通っています。ただ、このチームは試合になるとポジションを固定して戦います。最近も大きな大会があり、勝つことを優先して、ほとんど同じメンバー、同じポジションで戦いました。私はその大会が終わったらポジションをシャッフルするかと思ってましたが、最近の練習試合でも全員同じポジションでした。池上先生も言ってましたが、小学生ではいろいろなポジションを経験するのが良いとありましたが、私も同感です。
息子は攻撃的なポジションをやりたいと言ってますが、自分からコーチに言うことは内気なためにできません。息子は試合に出るのがつまらないと言っています。親がコーチに起用方法を提言するのはやめた方が良いのは分かっています。ですが、息子のモチベーションを考えると提言してもの良いのかと私自身も思い始めています。
どう対応したら良いか教えて頂きたいです。

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「このポジションをやりたい」と
自分で自己主張することにトライさせよう

 ここはまず、息子さんに「ずっとディフェンダーをしたくないんだったら、コーチに言ってみたら?」と子どもに自己主張することをトライさせましょう。おそらく、コーチはすぐには受け入れてくれないかもしれません。でも、主張し続けることの大切さを話してあげてください。

 さらに、なるべくなら、親がコーチには言わないほうがいいでしょう。試合に出すメンバーやポジション、戦い方や練習方法など、ほとんどのクラブは、保護者には「こちらに任せてください」とアナウンスしているはず。中には「何でも気づいたことは言ってください」と風通しを良くしているクラブもありますが、多くは違います。「勝つことを優先して、ほとんど同じメンバー、同じポジションで戦った」クラブですから、なおのこと、親からの意見をウエルカムとはしないような気がします。

 つい先日も、私の講演に来てくださった息子さんが少年野球をしているというお母さんが、こんな悩みを打ち明けてくださいました。

「試合に負ければグランド10周、ミスすれば罰で何かやらされる。そんなことばかりです。池上さんの本を読んでもらおうと思うのですが、その指導者は変わってくれるでしょうか?」

 私は正直に自分の考えを伝えました。

「お母さんがもし少年野球コーチの指導を変えてほしいと訴えても、残念だけど、嫌なら辞めてくださいという方がほとんどですよ。保護者からやり方を変えてと言ってもほとんどの場合、変わりません。少年野球でも、少年サッカーでも、それが現実です」

 では、サッカーでも野球でも、いっそのことチームを替わることが子どものためにいいのかといえば、なかなか替わりづらいのが現状です。本当に難しい問題ですが、最終的にどうするのかはお子さんときちんと話し合って決めてください。

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

VOL44

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