ジュニア年代では、数的優位のゲームを取り入れよう【後編】

2014年01月23日

コラム

守備はマンツーマンでやらせよう

 さらにいえば、日本の指導者はポジションよりもシステムを気にしすぎます。どうして、3バックはどう、4バックがどうと議論するのでしょうか。「君は相手選手の誰につく?」と決めてしまえばそれでいいと私は思います。マンツーマンにすると、常にバックラインにひとり残っているようなワンバックになります。

 日本のジュニアはもちろん、中学・高校・社会人と、いずれもディフェンスラインに人が余りすぎていませんか。オシムさんはこんな言い方をしていました。「ゲームの状況で変わる。3バックや4バックという話じゃない。相手が強くて押しこまれたら5バック。反対にこっちが押しこめたら2バックでよくなる」

 小学生には「攻撃するときは、全員で攻撃しなさいね」と言えばいいのです。ボールをとられてカウンターを食らってもいい。そういう経験をして「ちょっと待って。おれら行きすぎじゃない?」と気づけばいい。ところが、大人は「カウンターを食らって負けないように何人か残っとけ」と命令してしまう。その結果、後ろに人が残り すぎてしまうのです。

 実は、オシムさんはコーチングのヒントを得るために、よく「フッスバル・トレーニング」というドイツのサッカー専門誌を読んでいたようです。あれだけ実績のある人でも、そうやって勉強していたのです。

 どうか、いろいろな練習メニューを自分で工夫して、自分のチームに合うように教えてください。さまざまなことを学び、自分の頭で柔軟に考えて、クリエイティブな指導者になってほしいと思います。


プロフィール
池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

 


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