コラム

池上コーチの一語一得「GKしかやらせてもらえない」

2014年02月04日

池上正さんが子どもに対する悩みや、保護者・コーチの子どもを取り巻く大人に関する疑問や悩みに答えるこのコーナー。今回はお子さんがGKしかやらせてもらえないことについて移籍を考えているという親御さんからのご質問です。

◎試合(試合で修正したい悩み)

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(質問者:小学2年生の保護者)

息子は地元クラブに所属しております。始めたのがちょうど一年前で他のお友達よりも遅くに入団しました。上手な子たちのチームに入るとボールの扱いも動き方も努力をしなければいけないことは感じております。しかし、試合となるといつも上手な子たちのチームに入り、キーパーになり、フィールドでの試合経験がほとんどできておりません。公式戦では、戦力的な事情から、キーパー専任になってしまうことも仕方ないと感じていましたし、ポジションやメンバーについて意見をいうことは禁止されておりましたので、息子には与えられたポジションで一生懸命やりなさい、と言っておりました。本人もフィールドプレーヤーとして、プレーしたいと言っており、ボールコントロールなど一緒に練習して、上手になってきております。しかし、やはり試合経験が少ないため、動き方にはまだまだ問題がある状態です。試合を通して経験できることが多くあると理解しておりますので、練習試合などでは、キーパーをやりつつ、フィールドでプレーする時間も得てほしいと思っているのですが、練習試合などでもずっとキーパーのみしかでき無い状態が続いております。対戦相手のチームを見ていても、基本的にキーパーはみんなで交代で担当しております。
チームとしては、「目先の勝利にこだわらず、長い目で成長を見てあげてください」というポリシーですが、それならば、なおさら小学2年生の段階でうちの息子のみをGKという特殊なポジションに固定されている理由がわからず、チームを変えることも考えなければいけないと思っております。本人にも「今のチームのままなら、フィールドの選手として試合に出るのは難しい。本来なら、もっと上手くなることでフィールドのポジションを得るべきだけど、コーチたちはキーパーとしてしか見てくれていないと思う。それでも今のチームにいたいか?」と確認しましたところ「キーパーしかできないのは嫌だ」といっております。親として、どうすればいいか悩んでおります。

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自分で意思表示するお子さんの行動が重要
性急な判断は避けたいところ

 結論から言いますと、まだ様子を見たほうがいいでしょう。なぜかというと、お子さんはまだ2年生。これから上達すれば、まだまだ他のポジション、フィールドでプレーするチャンスはあります。

 ですので、まずは親のほうがカリカリしないこと。

「チームとしては、“目先の勝利にこだわらず、長い目で成長を見てあげてください”というポリシーですが、それならば、なおさら小学2年生の段階でうちの息子のみをGKという特殊なポジションに固定されている理由がわからない」と質問文にありますが、おっしゃることはごもっともだと思います。ただ、そこでいきなり「チームを変えることも考えなければいけない」は性急すぎます。

 まずは、お子さんが自分でコーチに「僕はキーパー以外のポジションもやりたい!」と自分で意思表示することが大切です。ですので、親としては「自分の考えをちゃんとコーチに話してみれば?」と提案してあげましょう。まだ2年生なので、3年生になってからでもよいでしょう。

 お子さんが自分の意思をアピールしても、3、4年とキーパーだけの出場が続くようなら、その時点で親子で移籍を考えてもいいかと思います。まずは、そのハードルをクリアしてからでも遅くありませんし「フィールドで活躍できるようになるには、何をしたらいいかな?」と問いかけて考えさせてください。

 彼の勇気がこのクラブのコーチたちに届くことを祈っています。

池上さん140114

プロフィール

池上 正(いけがみ・ただし)

1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、11年12月現在で7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。U-12の育成に携わる指導者や保護者には必見のDVD付き書籍となっている。

近刊情報

『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』

指導者や保護者から多くの支持を得ている『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』の著者・池上正氏が普段からよく使う象徴的な言葉(フレーズ)を取りあげながら、どのように子どもと接すればいいのか、言葉をかければいいのか、子どもとの距離のとり方……子育てやサッカー指導に悩む方々の具体的な解決策として、 “オトナが守るべき10のおきて”を伝授します。

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