アトレティコ・マドリーの黄金期を築き上げた漢、ディエゴ・シメオネの言葉から学ぶ“監督論”

2017年06月20日

サッカーエンタメ最前線

BARCELONA, SPAIN - MAY 17:  Diego Simeone the coach of Club Atletico de Madrid celebrates towards his supporters after winning the La Liga after the match between FC Barcelona and Club Atletico de Madrid at Camp Nou on May 17, 2014 in Barcelona, Spain.  (Photo by Alex Livesey/Getty Images)

「プレッシャーに苛まれるのは優れているチームの方だ」

 シメオネ流”監督論”。2つ目は“試合前の準備”です。格上のチームを対戦するときにシメオネ監督は「相手よりも劣っている」ことを認め試合の準備を進めているそうです。

「優位に立つチームは勝利を得ることを義務付けられ、1点を決めるだけではなく、2点目だって目指す必要がある。劣っているチームはそのことを考慮しながら、試合を戦い抜く意欲を持っている。10分、40分と時間が経過していくと優れているチームは焦り始めてしまう。プレッシャーに苛まれるのは優れているチームの方だ(ディエゴ・シメオネ)」

 では、格上のチームより”優れている”と思い試合に臨んでしまった場合はどうなってしまうのでしょうか。2015年のインタビューの際にシメオネ監督がこんな自論を述べています。

「バルセロナやバイエルンより劣っていると認められることこそが、我々(アトレティコ)の長所となるんだ。もし自分たちが(レアル)マドリーより優れていると考えれば、途端に4ゴールを決められてしまうだろう」

 チーム全体が格上チームより”劣っている”という意識をもっているからこそ「自分たちの強みを生かす方法を模索し、格上チームに打撃を与えることが可能となる」と話しています。2013-14シーズンにはメッシやC・ロナウドを擁するバルセロナやレアル・マドリーを抑えリーグと国王杯で優勝を飾り2冠を達成。2016-17、CL準決勝セカンドレグ・バイエルン戦では大方の予想を覆し、決勝戦に進出するなど、アトレティコ・マドリーは世界に“打撃”を与え続けビッグクラブへの仲間入りを果たしました。

 少年サッカーの現場においてもチームの格差というものは少なからず存在します。バルセロナやレアル・マドリーなど格上と呼ばれるチームは、少年サッカーで言うと地域の強豪クラブなどに当たるでしょうか。

 技術的な部分が上回る対戦相手に対し、試合前に「同じ小学生なんだから負けるなよ!」と、根拠もなく選手たちを送り出すのではなく、シメオネのように、まずは自分たちが”劣っている”ということを認めたうえで試合に臨むことができれば、やるべきことがハッキリとして、選手たちは強大な力を発揮するのかもしれません。

 アトレティコ・マドリー史上最高の黄金期を築いたとされるシメオネ監督の2つの”監督論”。参考にできる言葉があれば、心得てみてはいかがでしょうか。


simeoneカバー画像

【商品名】信念 己に勝ち続けるという挑戦
【発行】株式会社カンゼン
【著者】ディエゴ・シメオネ
【翻訳】江間慎一郎
四六判/256ページ 2017年6月20日発売

圧倒的な手腕で選手を統率する名将“シメオネ”の本格自伝

どのようにしてチームを世界トップクラスに導いたのか。
チームを強くする秘訣、シメオネ監督のサッカー哲学を紐解く

13-14シーズンにアトレティコ・マドリーを18年ぶりのリーグ優勝に導いた名将シメオネ。現役時代の逸話から、監督となりチームを強くした経験、サッカー哲学、選手たちへの熱き想いなど。モチベーターであるシメオネの監督論にも触れた本格自伝。


 

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