アトレティコ・マドリーの黄金期を築き上げた漢、ディエゴ・シメオネの言葉から学ぶ“監督論”
2017年06月20日
サッカーエンタメ最前線インテルやアトレティコ・マドリーでプレーし、アルゼンチン代表としては3度のW杯に出場したディエゴ・シメオネ。2006年に母国で現役から退き、すぐに指導者としてのキャリアをスタートさせると2013-14シーズンには圧倒的な2強世代ではバルセロナやレアル・マドリーを抑えアトレティコ・マドリーをリーグ優勝に導きました。さらにCLでは2度(2013-14・2015-16)決勝にまで進出するなど、数々の栄光をもたらしてきました。今回は、アトレティコ・マドリーをビッグクラブへと押し上げたシメオネ監督の言葉から”監督論”を2つ紹介します。
文●中澤捺生/ジュニサカ編集部 写真●Getty Images
「監督が試合展開をどう解釈し分析しているかどうかは後半5分~25分の時間帯に明らかとなる」
ディエゴ・シメオネ監督の言葉から学びたい”監督論”。1つ目は采配です。
「プレー上に横たわるあらゆる状況において、手出しをすべき瞬間というものが存在する。自身が有する全経験、全知識が試される鍵となるべき瞬間が(ディエゴ・シメオネ)」
シメオネ監督の言う「(監督が)手出しをすべき瞬間」とはいつのことなのでしょうか。シメオネ監督は次のように語っています。「監督は試合中に強烈な時間帯を通過することになる。それは後半5分から、25分までの間。その時間帯は、監督こそがゲームに臨んでいる。なぜか?そこで試合の行方が決まるからだ」。
後半5分から25分。それは、試合の結果を大きく左右する時間帯です。シメオネ監督によれば、監督が有能か無能か、試合の流れを読み、上手く采配出来るかどうかが示されます。その時間帯の選手交代の決断は深く考えすぎると敗戦に直結してしまう為、監督の手腕が試される時間帯でもあります。
「自チームが負けている時、試合終了まで10分を切ったところで選手を投入しても変化は起きない。勝利を求める場面では20分前には投入する必要がある。監督が試合展開をどう解釈し分析しているかどうかは後半5分~25分の時間帯に明らかとなる。それ以外の時間帯では監督がゲームに臨むことはない。前半にプレーしているのは選手たちだけで、監督が行うことと言えば、ハーフタイムに目にしたものから修正を施すのみとなる。後半5分から25分。そこで下す決断が試合終了まで反映される」
シメオネ監督が話すその言葉通り、CL準決勝ファーストレグ。サンチャゴ・ベルナベウで行われたレアル・マドリーvsアトレティコ・マドリーの試合。0-1でリードを許している展開で闘将は、後半12,13,23分と立て続けに選手を送り出しています。その試合以外でも同点に追いつきたい場面や勝利を目指している状況では、後半5分~25分の段階で3人の交代枠をほとんど使い切り試合の流れを変えチームに勝利をもたらしてきました。
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