風間流“蹴る”の定義。「個人の感覚で決まる」

2017年10月25日

コラム

「立ち足を固定したままインステップで蹴ることで、自分のフォームがみえてくる」

 風間監督は、立ち足を固定した状態で蹴る練習をさせているそうだ。踏み込むのではなく、立ち足を動かさないで蹴る。それでインステップを使って、最も遠くへ強いボールを蹴らせてみるのだそうだ。インステップで蹴るのはボールの中心を最も強くインパクトできる種類のキックであると同時に、ある意味ごまかしが効かないから。芯を外せば真っ直ぐにはいかない。必ずボールの中心に当てなければならない。

「遠くへ蹴れというと、皆ボールを前へ出してから蹴ろうとするけど、それでは自分のキックがわからなくなる。立ち足を動かさなければ、体を使わなければ蹴れません。足を振るだけではボールが飛ばない。そうすると自分の体がわかります。どういうふうな体の使い方をすればいいのかがわかると、どこにボールがあればいいかがわかる。インステップはボールの中心を正確にとらえないと真っ直ぐ飛ばないので、立ち足を固定したままインステップで蹴ることで、自分のフォームがみえてくる」

 いちばん遠くへ蹴れる場所にボールを置ければ、当然近くにも蹴れる。そこが止める場所になるわけだ。しかし、前記したように体の合理的な使い方には個人差があるので、これについては各自の感覚をつかむ以外にはない。

 2002年日韓ワールドカップで活躍したセネガルのエース、エルハジ・ディウフのキックフォームを大学の研究チームが撮影したことがあった。インサイド、インステップ、インフロントと蹴り分けてもらった。ディウフは「オーケー、オーケー」と愛想良くやってくれたそうだが、撮影したものを見るとフォームが全部同じだったそうだ。当てる場所は多少違っているにしても、ボールと体の関係が出来上がっているのでフォームに違いがなかった。これは同じような分析を行ったときのドラガン・ストイコビッチもそうだったという話を聞いたことがある。

「大学生を教えているときに、懐からボールを蹴り出せる選手がいました。立ち足から遠くに置く人もいる。これに関しては回数を積んで体得するしかない」

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