風間流“蹴る”の定義。「個人の感覚で決まる」

2017年10月25日

コラム

「真っ直ぐの助走で蹴ると芯がどこかを知る手がかりになる」

 ボールの芯を蹴るトレーニングの1つとして、ボールに対して真っ直ぐ助走して真っ直ぐのボールを蹴るというのがある。

「ボールへのアプローチは角度をつけたほうが蹴りやすいのですが、真っ直ぐの助走で蹴ると芯がどこかを知る手がかりになります。自分の体もわかりやすい。真っ直ぐ走って蹴るのは森孝慈(元日本代表、三菱重工)さんが上手かったですよ」
 
 自分のフォームを持っていて、ボールをどこへ置いたら芯をとらえた最も強くて正確なキックができるかわかっていること。それができればボールをどこへ止めればいいかは決まる。逆に、キックができなければボールの置き所も決まらないわけだ。

「真ん中を知っている人がボールの習性を知る」
 
 風間さんのいう「ボールの習性」とは、どこを蹴ればボールがどう飛ぶかということだ。下を蹴れば上へ上がる、中心を少し外せば曲がる……そのためには中心がどこかを体で知っていなくてはならない。中心がわかっているから、中心を外して蹴ることもできるわけだ。

「利き足が完璧にできないのに利き足でないほうで蹴ろうとする人は多いけど、1がないのに2にはならない」
 
 利き足は右足だが、右足のキックが完璧にはできない。そういう選手が左の練習をしたところで、当然左も不完全になるだけである。

「逆に、利き足が完璧だと逆の足はあんまり必要なくなる」

 たまにどちらが利き足かわからない選手もいる。古い選手だが1960年代にイングランド代表やマンチェスター・ユナイテッドで活躍したボビー・チャールトンは両足利きだった。もともとは左利きだが、右足でFKやCKを蹴ることもあった。ただ、完全な両足利きのスーパースターはあまりいない。リオネル・メッシは右足も正確だが、ほとんどのプレーは左足を使う完全な左利きだ。ディエゴ・マラドーナもほとんど左足だった。偉大なレフティの大半は右足を使わず、補助的に右で蹴るぐらい。右利きのペレ、ヨハン・クライフ、ミッシェル・プラティニもほとんどが右足。左利きに比べると逆足も使っていたが、ほとんどのキックは利き足だった。歴代のスーパースターはほぼ利き足しか使っていないのだが、逆の足が下手というわけではない。利き足でほとんど用が足りていたので使う機会がなかったのだ。

(つづきは、10月23日発売の『技術解体新書 サッカーの技術を言葉で再定義する』でご覧ください)


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【商品名】技術解体新書 サッカーの技術を言葉で再定義する
【発行】株式会社カンゼン
【著者】風間八宏・西部謙司
四六判/168ページ
2017年10月23日発売

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