後半3発の江南南が広島に快勝!「ダノンネーションズカップ」初制覇/決勝レポート

2018年04月03日

ダノンネーションズカップ2018 in JAPAN

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取材・文●平野貴也 写真●佐藤博之

江南南が後半3ゴール!

 ジュニア年代で唯一、世界につながっている「ダノンネーションズカップ2018 in JAPAN」決勝大会が4月1日(日)、2日(月)に駒沢オリンピック公園で行われ、男子の決勝戦は江南南サッカー少年団(以下、江南南)が3-0でサンフレッチェ広島F.Cジュニア(以下、広島)を破り、初優勝を飾りました。

 当初は優勝チームに世界大会の出場権が与えられる予定でしたが、2018年の世界大会が延期されたため、代替案としてフランスのカンヌで当地のチームと親善試合を行うウィナーズプログラムの参加権が与えられました。

 決勝は、均衡した力が後半で一気に傾く展開でした。出場全チームがピッチを囲む異様な雰囲気の中で、両チームともに緊張感が見られましたが、広島が先に攻勢に出ました。グループリーグで対戦した際に江南南に1-2で敗れており、今度は勝つという気持ちが前面に出ていました。

 9番・吉田唯人くん、11番・大西央人くんの両FW、中盤から攻め上がる10番の中島洋太朗くんが、前を向いて足技で突破を仕掛けてゴールを狙いました。対する江南南は「得意なのは、相手のパスをインターセプトすること。今日は、相手を止めるのが難しくて、仲間と挟んで対応した」と話したセンターバックの川尻大晟くんが次第に相手のパスを予測して食い止め始めました。

 全体を押し下げられてしまい、前線の24番・寺山隼人くんがなかなか良い形でボールを受けられませんでしたが、それでも前半の終了間際に主将の8番・上西遥貴くんがドリブルで持ち上がってスルーパスを通し、長身の7番・松本遥翔くんが中盤から抜け出す惜しい場面を作るなど、少しずつ押し返しました。

 広島は、流れが良かった前半に点を取り切れなかったことが結果に響きました。渡辺康則監督は「最初は思い切ってプレーしてくれて、攻撃でも守備でも自分たちの良さが出た。ただ、相手の経験値や上手さによって、少しずつボールを持たせてくれなくなって、こっちの元気というかテンションが下がり、簡単にボールを失う場面が増えてしまった」と流れを失った展開を悔しがっていました。

 後半に入ると、試合のペースは一気に江南南に傾きました。江南南の松本暢佑監督は「ほかの大会と連戦だったけど、決勝を見たら広島も疲れていたので、慌てずに落ち着いてやれば大丈夫だと伝えた」と選手に自信を与えてピッチへ送り出しました。

 すると、アルゼンチン代表FWメッシのプレー動画を週に一度見てボディーフェイントを真似しているという主将の上西くんが「前半に点を取れなかったので、後半こそ自分のプレーをしなければいけないと思った」と得意のドリブルを仕掛けて、中盤を制圧。プレッシャーの中でも余裕を持って繰り出すドリブルで何度も決定機を演出しました。

 完全に押し返した江南南は、左コーナーキックのこぼれ球を3番・DF柴野惺くんが押し込んで先制。さらに右コーナーキックから松本くんが強烈なヘディングシュートを放ち、こぼれ球を清水斗哉くんが押し込んで追加点。サイドで攻守に頑張った2人の得点でリードすると、最後は、上西くんが個人技からドリブルシュートを決めて3点目と相手を突き放して勝利を決定付けました。

 試合は、3-0で終了。江南南が勝利を収めました。しかし、彼らの戦いは、またすぐに始まります。広島の主将を務めた高橋怜生くんは「緊張して足がうまく動かなかったし、声もうまくかけられなかった。相手が良かったというより、自分たちのプレーがダメだった。最初は怖いものがなく強くプレーできたのに、失点してから落ち込んでしまった」と反省し、改善を誓いました。

 江南南の上西くんも「次は全日本少年サッカー大会でも優勝したい」と次の目標に目を向けていました。緊張感のある決勝戦で互いに力を見せた好ゲームは、彼らの成長の糧となるに違いありません。

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<ジュニサカMOM>
優勝した江南南で活躍が目立ったのは、大会MVPに輝いた主将の上西くんでしたが、決勝戦の勝利の背景には、押し込まれた前半に相手の勢いを止めた川尻くんの働きがありました。Bチームから這い上がって来た選手ですが、日本代表MF原口元気選手たちを育ててきた松本監督は「一番下手。相手をつぶすことができるけど、ポゼッションはまだできない。でも、今日も強い相手にある程度やれていた。経験が自信につながる。彼が自分自身の才能にまだ気が付いていないけど、それを伸ばしたい」と期待をかけていました。ボールを奪った後のプレーは課題ですが、鋭い予測と球際へのチャレンジで相手の攻撃の目を摘んだ守備は光っていました。「グループリーグの対戦では失点したけど、決勝は無失点で勝てたのが良かった」(川尻くん)と感じた手応えが今後の成長につながるはずです。

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