「ドリブル突破禁止」は子どもの羽を切り落とす。バルサ流10歳までの育成哲学とは

2018年04月19日

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バルセロナ

全員がプレーに参加し、常に学べる状況をつくり出す

 この年代の選手たちは、プレーを始めたばかりの初期段階の傾向としてボールを大きく蹴るというプレーをよくすることになるでしょう。しかしながら、本当はしっかりとボールをコントロールしてプレーを進めてほしいものです。ですから、以下の2つのことが指導において重要になります。

 1.ただ単にボールを蹴らせないこと。プレーに意図を持つように指導すること。
 2.わざとボールをピッチの外に蹴り出させないこと。

 この2つの禁止ルールの中で、ボールを使いプレーさせます。ただ単にボールを蹴られない状況で、選手たちは、ボールをコントロールし、ドリブルし、ボールを奪いに来る相手からボールを守り、相手をレガテで突破します。

 もちろん最初は上手にできないでしょう。しかし、反復することで、少しずつではありますが、確実に成長が見られるでしょう。

 私たちの持つアイデアは、ゴールを見ていただければ理解していただけます。もし幅8mのゴールを設置したとすれば、選手たちはどこのポジションからでもシュートを放ち、ゴールがたくさん生まれるはずです。

 しかし、それではプレーを学ぶことはできません。幅の狭いゴールを設置することで、相手を突破したり、ゴールキーパーを騙すプレーをしたりしながら技術を高めることができるはずです。

 小さなスペースでプレーさせることで、本来子どもたちにとって有害な無駄な動きをさせずに済むでしょう。また、3対3のような少人数でチームを構成することで、選手たち全員がプレーに参加し、常に学べる状況をつくり出すことができます。もし11対11で試合をすれば、ほとんどの選手たちがプレーに参加できず、サッカーを楽しむことも、学ぶこともできないでしょう。

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