チーム動画紹介第60回「カナリーニョFC」
2008年10月14日
未分類テクニックで魅せる可愛いカナリア軍団
今回は、千葉県柏市を本拠地に活動するカナリーニョFCにお邪魔しました。U-12の監督を務める渡辺慎二さんにチームのことについて伺いました。
カナリーニョFCってどんなチーム?
元柏レイソルのカレッカ氏などによって、柏市にクラブチームをつくりたいという気持ちから1996年にチームが発足しました。創設当初はスクールだけで選手コースはありませんでしたが、現在は選手コースとしてジュニアとジュニアユースの2チームがあります。ジュニアが25名、ジュニアユース30名、スクール生を合わせると700名程の選手が活動しています。カナリア軍団(ブラジル代表)、柏レイソル(チームカラー・カナリアイエロー)を元に「憧れの彼らを目標にJリーガーを目指してほしい」という願いを込めカナリーニョ(可愛いカナリア)というのがチーム名の由来です。選手コースでは、うまい子を選抜するわけではなく、カナリーニョFCのスクールに参加している生徒であれば誰でも参加できるチームとして、土・日を中心に活動しています。
チームの指導方針を教えてください。
テクニックを活かし、観ていて楽しいサッカーを指導しています。試合では、ボールを持った人がサッカーの主役だよと選手に伝え、指導者から強制的な指示をするわけではなく、能力の高い子にボールを集めるようなこともしません。ボールを持った子が自分で考えサッカーをする、これがカナリーニョFCの指導方針ですね。ただ、ボールを持っていない他の選手は何もしないのかというとそうではなく、ボールを持つ主役選手のやりたいプレーはどうやったら引き出せるのかを考えさせています。「パスも選択できるように前に飛び出してあげたりするのもいいよね」などを子どもたちに伝えています。試合などでは、監督としては黙って見ていることが多いですね (笑)
リフティング練習の際にキャッチという技を行っていましたが?
リフティングをただ行うだけでは子どもたちはあきてしまって、その練習に面白さを見出せないことが多いんですね。だから、リフティングをしながら“遊び”の要素を取り入れた“ジャグリング”という練習をチームで行っています。その一つが“キャッチ”という練習です。ロナウジーニョ選手が見せるような、ボールをのせる、回すなどの技の練習ですね。この練習はインステップ、インサイドキックの練習などでは補えないものを埋めてくれると思っています。ボールを自由に扱うには膝のクッションも必要で、スムーズトラップやファーストコントロールでピッタリ止める技術がつき、試合でも活きてきます。小学生などにこんな難しい技ができるの?と思うかもしれませんが、小学生は吸収力が高いので、難しい技にチャレンジさせていくとすぐコツを掴んでくれます。ひとつできれば、応用してより難易度の高い技を2つ、3つと身につけていきます。もし、自主的にサッカーをするとき、他に人がいなくても、ボールひとつで練習できてしまうんです。
練習試合中に制限を設けていましたが?
(※7対7のゲームで3つボールを使用し、全てのボールを所持しているチームがシュートを打てるなどを行っていた)
フットサル用ピッチでの練習のように、コートが狭い時には試合で制限を設けています。狭いピッチではシュートが簡単に打てるので、得点をとることがとても簡単になってしまいます。また、チーム内でも選手同士の力の差がある場合には、簡単に突破してシュートを打てる場面ができます。それを解消するためにある程度ゴールまでの過程に、制限を設けて、より難易度を上げた状態でゲームを行っています。
ジュニア年代で大切だと思うことはなんですか?
ジュニア年代はサッカーを楽しむ部分がとても大切です。そして、それと同じかそれ以上に人間形成が大切だと思います。例えば、相手に敬意を込めて挨拶や握手する、使用したグランドなどを使用前よりも綺麗にして戻すなどです。それを踏まえた上で、テクニックを身につけることがいいことですね。これができている選手ならば、後輩たちからも尊敬されます。そんな選手のいるチームなら、どこのチームからも気持ちがいいチームだと感じてもらえる。子どもたちにも「いくら技術があってもいい選手だとはいえないよ」と、伝えています。
今後の目標はありますか?
キッズ、ジュニア、ジュニアユースといったカテゴリーが現在あるんですが、今はまだ年代別でバラバラに練習を行うことが多いです。だから、今後はもっと学年の壁を越えて、ジュニアユースとジュニアが合同練習することによってお互いが話し合ったり、プレーすることで良い部分を吸収し合っていけばいいと思います。そこで何か目標を見つけて、頑張るといった形がもっとうまくできてくるといいですね。
編集部コメント
カナリーニョFCの練習を見て感じたことはボールコントロール技術の高さでした。
練習前、グラウンドの空いたスペースを利用しコーチとのリフティングを行う選手たちは、コーチが見せる技を即座にマネしようと、止める・回すなど多くのパターンを幾度となく行っていました。練習に入っても、それは変わらずコーチが教えるさまざまな種類のフェイント、ジャグリングに何度もチャレンジしていました。当然のことながら、高い技術を養うためには、多くの技を何度となくチャレンジして、自分のものにする。それこそが技術向上への近道なのだと改めて感じました。
(文 編集部)
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