熱きイタリアの守護神・ブッフォンが抱く 代表戦への誓い

2012年06月29日

サッカーエンタメ最前線

国家の存亡の危機に広がるカンパニリズモ

6月19日発売の『フットボールサミット第7回』(カンゼン)

イタリアは長く都市国家の林立する時代を送り、したがって当然のこととして今日もなおカンパニリズモという主義、それはもう宗教さえも遥かに凌ぐほどの精神文化だが、いわゆる「自らが生を受けた街や村の鐘楼の音こそが最も美しい」とする考え方が異常なまでの太さで横たわっている。よって現実に一国家としての結束が揺るぎなきものであるかと言えば決してそうとは言えず、むしろ南北格差に象徴されるように至る所で歪みは日を追う毎に深まっているとも言えるだろう。

だが一方で、今世紀初頭(2002年1月1日)に始まった共通通貨ユーロの行く末が危ぶまれる今、「国家が存亡の危機に瀕しながら、だからこそ改めて国の結束を図ろうとする動きがかつてない勢いで国内に広まっている。

とはいえ、その数はまだ究極的なまでにマイノリティでしかないのだが」という声もある。
「今はまだグローバリズムという思想が世界を席巻しているのだから、そうした中で帰化の議論が深まることは半ば当然とも言えるのだろう。しかし、忘れてはならないのは、この欧米主導のグローバリズムなるものが着実に終焉へ向かっているということ。

もしも本当に彼らの思惑通り実質的に国家間の壁が取り払われてしまえば、それはもうサッカーを愛する者にとっての最大の悲劇を生む結果になることは明白である。だからこそ、その思想の過ちに気付くことでイタリアにも芽生えつつある新しい流れ、徐々にではあるが広がりを見せるローカリズムへの回帰に期待したい」
これは、取材に答えてくれた一人(46歳、職業=伊ワイン製造会社取締役)の見解だ。

※『フットボールサミット第7回』P110-115より一部抜粋(文●宮崎隆司)
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「UEFA EURO 2012」の決勝戦は7月1日(日)に行われる。44年ぶりの優勝をかけて、ブッフォン率いるイタリア代表はどのようなドラマを見せてくれるのだろうか。

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