真の個の育成につながるヒントはここにあり!! ボトムアップ理論で選手の自立を図る
2013年06月01日
コラム「選手が主役」を本当の意味で体現するための大会を開催
――昨年には、子どもたちの自主性を育む「Football Connection U-10」(※)という大会が行われました。その大会の概要を教えてください。
久保田 昨年12月に山梨県富士緑の休暇村で、U‐10のチームを5チーム招待してサッカーフェスティバルを行いました。総当たりのリーグ戦を行い、一応順位もつけました。広島から畑先生を招待し、幸野さんと一緒に初日の夜に指導者向けの講演をしてもらいました。また、参加チームではない指導者にも試合を観てもらいました。参加チームの指導者のコーチングは禁止、親の付き添いも禁止、試合の合間の世話焼きも禁止です。それをすべて「禁止」と言わなければいけないのも良くないことなのですが、「選手が主役」を本当の意味で体現する場を作れたと思います。
――参加チームからの反応は?
久保田 参加してくれたのは選手たちに任せることに賛同してくれているチーム、指導者ばかりだったので、いい評価をいただきました。本当は、正反対のチームに参加してもらうのが良かったのですが(苦笑)。
――大会のアドバイザーも務める幸野さんですが、フェスティバルの感想、手応えは?
幸野 夜に宿舎のお風呂に入ると、子どもたちがいたのですが、そこで聞いたのが「この大会、超楽しい!」という声です。「オレたちが自分たちで全部やっていいんだぜ!」と言って、浴室で子どもたちが翌日に向けたミーティングをしていたのです。子どもたちを信頼して任せてみれば、こちらの想像以上のものが返ってきます。私はそのお風呂のワンシーンだけでも、この大会の素晴らしさを実感することができました。彼らに関わる大人たちも想像以上に子どもたちの自主性と責任感を目の当たりにしたと思います。サッカーを出発点に日常生活でも子どもを信頼していけば、日本中の子どもたちが変われる可能性を秘めています。サッカーのためだけではなく、日本の社会のためにもこうした取り組みは必要なことだと思っています。
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