真の個の育成につながるヒントはここにあり!! ボトムアップ理論で選手の自立を図る

2013年06月01日

コラム

選手(子ども)と常に信頼できる関係に

――小学生に自主性を促すのは簡単なことではなく、周囲からの懐疑的な目も多いと思いますが、その効果を確信しているということですね?

久保田 はい。任せてみればできるものです。子どもたちは任せられたことが嬉しくて、自分から行動に移します。それは幼稚園児であっても同じです。大人が何か言わないとわからない、動けないというスタンスから一度離れて、子どもたちに任せてみればいいと思います。

幸野 こういった考えを広めていく上で大事なことは、やはり保護者の共感を得ることだと思います。指導者が現場で実践することはもちろん大切なのですが、保護者の理解がなければ難しい。これからの指導者にとって大事なことは、保護者とのコミュニケーション能力です。ブログやSNSなど、自分の考えを発信する手段はいくらでもあります。親と密接に関わり、自分の考えを伝えていくこと。これが現場での指導力と同じくらい重要なことだと思います。

――これからボトムアップ理論の導入を考える指導者へのアドバイスをお願いします。

久保田 信頼関係が最も大切です。選手とコーチはもちろん、選手同士の信頼関係もあるはずです。むしろ、選手たちにしかわからない関係の方が重要かもしれませんし、それを尊重してあげることが重要です。もう一つは、こういった指導をしている、選手たちがすべて自分で決めるということをあまり意識させないことです。自然な流れで子どもたちに任せ、彼らが成長してから振り返ったときに「そういえば任せてもらっていたな」という感覚が一番良いと思います。「やらせられるボトムアップ」ではなく、自然発生的に自立を促していくことが大切だと思います。

幸野 私の考えは、私自身が子育ての中で経験したことがベースになっています。息子は12歳で家を出ましたが、それも本人が決めました。子どもと暮らしたのは12年間だけですが、その過程で子どもを信頼することの効果を痛切に感じました。子どもを信頼して見守るスタンスは非常に大事なことです。小さい頃から子どもが喜んだことに親が共感してあげること。それによって子どもが嬉しくなり、親に喜んでもらうためにも「もっとやろう」という気持ちになります。保護者、指導者には、子どもと一緒になって喜び、嬉しさを共感してほしいですね。

 


 

(プロフィール)
久保田大介
1972年生まれ。1999年設立で神奈川県横浜市の西部に位置する旭区を中心に園児から小学生までのクラスが活動するSUERTE Juniorsの代表・ヘッドコーチ。また東京都立国際高校女子サッカー部のコーチも務める。

幸野健一
1961年東京都生まれ。JFAアカデミー1期生の幸野志有人選手(現V・ファーレン長崎所属)の父親。サッカーは6歳より始め、現在も選手として年間50試合以上プレーしている。サッカービジネスも手がける株式会社三幸企画代表取締役。

 

<関連リンク>
・『ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.29』
・SUERTE Juniors

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