サッカー母ちゃんの”まだまだ”ドタバタ日記「第13回 夢や野心はなくてもいい」

2013年07月04日

コラム

「オレ、大学、やっぱ文系かな……」

食事のあとの、つかの間のリラックス時間に長男がポツリ。

唐突に長男がしゃべり始めたときは、何か不安があるときなんだけど……。

「文系って、何の仕事できるんだろ?」

あれ?サッカー選手になる夢は?

「大学でもサッカーやるつもりで選ぶんじゃなかったの?」

「いや、オレは、サッカーは高校で燃え尽きるから(キッパリ)」

「へえ、そうなんだ~」

平然と返しながらも、母ちゃんの心は千々に乱れ……。

父ちゃんが聞いたら、泣いちゃうぞ。
父ちゃんったら、いまだに息子が日本代表になれると思ってるんだからね。

上には上がいる、わかっていたけど、
でも、現在のチームでもトップの子たちにはかなわないってこと? さびしいな。

「オレさ、中学のとき、ホントバカだったなって」

「バカ?」

「受験前の、面接の練習のとき、『将来サッカー選手になりたいです』って言ったら、副校長に鼻で笑われたじゃん。『サッカー選手になる奴なんて、ほんの一握りだ』って。ムカついたけど、今思うと、副校長の言うとおりだったなって」

「……。」

何と返したらいいものか。しばらく沈黙してしまった母ちゃん。
気を取り直すまでに、30秒。

「そんなの、関係ないよ。将来のことなんか、誰にもわかりゃしないんだから。だいたい、サッカー選手になるためにサッカーやってるわけじゃないんでしょ?」

「うん、そうだよ。オレ、サッカー一生懸命やれる学校入れてよかったし。今、めっちゃサッカー楽しいし」

「よかったじゃないの。全力でサッカーできてるんだから」

「ま、それにオレ、高校入って、どんどん成長してるからね! あ、明日朝練行くから」

気持ちがスッキリしたのか、長男、
「よし、勉強も毎日コツコツやらなきゃな」と、
ひとりごちながら、さっさと二階に行ってしまいました。

成長したんだなァ。

中学まで、井の中の蛙だった長男が、意気揚々と、高校サッカー部の池に飛び込んだ。

ところが、池の中ではトップチームは遠かった。
しかも、池どころか、世の中は、もっともっと、さらに広かった……。

自分の立ち位置がわかって、自分の未熟さがわかって、
ショボンとなったけど、でも、まだまだ自分が成長できることも信じている。

もしかして、大きな夢が消えてしまったからこそ、
今は目の前の目標に向かって、謙虚に努力することができているのかも。

そうそう、コンフェデ杯、メキシコにも負けた日本代表へ、オシム翁がメッセージを送っていました。

「W杯優勝を公言する選手もいるそうだが、夢を見る自由はある。しかし実現可能な目標、指標がなければ、いたずらに失望したり、日々の練習での課題を見失うことになりかねない。」

このコメントを読んで、心底納得したな。

無謀な夢や大きな野心なんかなくてもいい。

日々の課題を見つけて努力することのほうが、夢や野心よりずっと価値があるんだって。

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