視点の先に常にゴールを! 前を向ける選手になるための育て方

2014年06月26日

コラム

勝ち負けがハッキリするメニューで楽しくサッカーをさせること

 いかがでしょうか。自由にプレーさせる、個人技術が大事と言いながら、型にはめようとしていませんか。四種で大切なのは、「点を取りたくていつでも前を向こうとする」姿勢です。

 目の前にいるみなさんの教え子たちが、ブラジル選手のように常にゴールを意識して前を向いてプレーできるようになったらどうでしょうか。想像しただけでもワクワクしませんか。そのベースを四種年代で作るために、以下の五つのことに留意して指導しましょう。

①動きながらボールをコントロールするトレーニングを増やそう
②ボールを取られないためには、フロントターンよりもバックターン
③点を取り合うトレーニングを増やそう
④攻撃の質を高めるために守備を正しく指導しよう
「アプローチ!」→「ストップ!」×
「アプローチ!」→「アタック!」○
⑤楽しくサッカーできる環境を。耐える練習はユース年代から

 前を向いてどんどんゴールを目指す選手に育てるには、とにかく楽しくサッカーをさせること。子どもは勝ち負けがはっきりするメニューが大好きです。大人ではなく、子どもが勝ちにこだわることが大切です。

 以前ドイツのザルツブルグのユースの練習を見学して驚いたことがあります。ディフェンスなしのトライアングルパスを延々と何十分もやらせていました。18歳以下のユースとなればプロ契約を見据え、明確な目標をもった年代ですから、そのような面白味のない地味な練習を黙々とやります。

 その子たちは、ジュニアの時代に楽しいサッカーを存分にやってきて、サッカーが大好きだからやれるのです。

 日本の指導者もぜひこのような価値観で指導していただきたい。そうすれば、世界との差が埋められる日は、近い将来に必ず訪れると確信しています。
 


<プロフィール>
池上 正(いけがみ・ただし)

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1956年大阪生まれ。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼年代や小学生を指導。02年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。同クラブ下部組織の育成コーチを務める。03年より小学校などを巡回指導する『サッカーおとどけ隊』を開始、千葉市・市原市を中心に190カ所におよぶ保育所、幼稚園、小学校、地域クラブなどで延べ40万人の子どもたちを指導した。2010年1月にジェフを退団。同年春より「NPO法人I.K.O市原アカデミー」を設立。理事長としてスクールの運営や指導、講習会、講演をこなすかたわら、大学や専門学校等で講師を務めている。2011年より京都サンガF.C.アドバイザー、12年2月より京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターに就任。08年1月に上梓した初めての著書『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(08年・小学館)は、7万部に迫るベストセラー。11年9月には指導現場で、その実践例を大公開した『サッカーで子どもの力をひきだす オトナのおきて10【DVD付き】』が発売。2014年6月刊行の『少年サッカーは9割親で決まる』などの監修もしている。

近刊情報
『少年サッカーは9割親で決まる』
COVERジュニサカ賢人・池上正氏が監修した最新刊『少年サッカーは9割親で決まる』 。これまでに『一語一得』に寄せられた「練習」「試合」「自宅」などでの指導者や保護者の子どもに対する悩みや、子どもを取り巻く大人に関する疑問と、池上さんの答えを再編集したもの。マンガもついているので、それを見ながら、答えを読むことでより楽しく理解度が深まる一冊!

 

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