元ロンドン五輪代表監督・関塚隆氏が見たブラジルの育成法とは?

2014年07月01日

インタビュー

ゴールをねらうこと、それがブラジルサッカーの基礎

――今号は特集テーマが「判断力」なんですが、その観点で見た場合、ブラジルの育成年代をどう評価されていますか?

 難しい質問ですね。ひとつのクラブやカテゴリーを長く見ていませんので、一概には言えません。ただ、ブラジルの寮では欧州サッカーの試合を放映しているし、多くの若手がヨーロッパで活躍しています。

 だから、欧州と比べても垣根は縮まっている。昨今のサッカーは時間とスペースがない中で、どんなプレーをするのかが重要です。そこは判断に委ねられるところだし、指導者もそれを身につけさせるためにアドバイスしている。

 だからといって、ヨーロッパナイズされるわけではなく、ブラジルらしさは失っていません。止める、蹴るという基本技術はもちろん、個々がストロングポイントをしっかり持っています。

――実際に目にされた練習で日本との違いを感じた部分はありますか? 例えば、日本だとパスを主体としたトレーニングをよく目にします。でも、ゴールがないままで終わってしまうことも多いです。

 私が見た限りでは、ゴールのないプレッシャーが少ない練習からゴールのあるプレッシャーがかかった練習へと段階を追って、1日のトレーニングが組まれていました。ただ、ゴールがない状態で1日が終わることはありません。

 例えば、3対2の練習も実戦を想定したふたつの要素が入っています。自陣でのボール運びから敵陣でのゴール攻略へと、攻撃側はエリアで目的が変化しますし、守備側もボールを奪えばシュートを打つことがルール付けされています。

 ゴールを設定した場合、常に攻守においてゴールをねらうことを習慣化させるような工夫がされている。これがブラジルサッカーの基礎を作っているのだと感じます。

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