美しく危険な男・ディエゴ・フォルランの知られざる生い立ちとは?
2014年08月22日
サッカーエンタメ最前線力強く正確なシュートを生み出した、少年時代のキック練習
それでも小学生のうちは、無理にサッカーだけをさせることは控えた。なぜなら「サッカーをするためにテニスは最高のトレーニング」と判断したからだ。
「テニスによって足腰が鍛えられるだけでなく、集中力や瞬発力にも磨きがかかる。小さなボールを的確に打ち返すことにより、より照準を定める能力も高まる。左右に走る動きを繰り返すことで、サッカーでマークを外すときの身体の使い方にも役立つ」
さらにパブロはディエゴに対し、両方の足を使ったキック練習を何度もさせた。自身の現役時代での経験から、両足でキックができることの利点をよく知っていたのである。
このためディエゴは、壁に向かって何度もボールを蹴るようになった。
距離や強さ、角度に変化をつけながら黙々と壁にボールを打ちつけ、跳ね返ってきたボールを追いかけてはまた蹴るという練習を続けたことにより、どちらの足でも、どんな体勢からでも、そしてどんな距離からも力強く正確なシュートが打てるようになった。
「壁を使ったキック練習は、あの子が自発的に始めたこと。放っておけば2時間くらいは延々と蹴っていたよ」
熱心な練習の成果は、少年期に所属したクラブで記録した通算ゴール数に表れた。
モレイラ・コーチによると、5歳から12歳までの7年間に、ディエゴはジュニアリーグで300ゴールをマークしたという。
「1年に54ゴール決めたこともあった。ジュニアリーグの記録はしっかり残されているので、私が嘘をついていないことはちゃんと証明できるよ」
プロフィール
藤坂ガルシア千鶴
(ふじさか・がるしあ・ちづる)
1968年、札幌市生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒業。幼少期から洋画・洋楽の世界にはまり海外に興味を抱き、1978年W杯を機に同大会で優勝したアルゼンチンに魅了される。中学生のころから独学でスペイン語を学び、大学在学中から『サッカーダイジェスト』誌にアルゼンチンリーグのニュースを寄稿。1989年からはアルゼンチンで暮らしながら、日本のサッカー専門誌やスポーツ紙に南米サッカーの情報を提供している。著書に『キャプテンメッシの挑戦』(朝日新聞出版)、『マラドーナ新たなる闘い』(河出書房新社)、訳書に『マラドーナ自伝』(幻冬舎)などがある。
『フットボールサミット第24回 美しく危険な男 フォルラン』
2014シーズン、フォルランのJリーグ移籍はJリーグにとって、久々の大物外国人選手であり、大きな注目が集まった。『フットボールサミット』では、フォルラン選手を総力特集。セレッソ大阪のスタッフ、選手などのコメントを掲載し、またフォルラン自身のこれまでの歩みも追いかけていく。フォルランがセレッソ大阪にとって、Jリーグにとってどんな存在となるのか。美しくも危険なフットボーラーの全貌に迫る。
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