子どもの主体性を伸ばすために親ができること

2014年08月23日

コラム

足場をかけたら、あとは子ども自身にまかせよう

 子どもの心の声をしっかり「聴いて」あげてください。「耳」を「門」の中に閉じ込める「聞く」ではなく、「耳」を「十四」の「心」で「聴く」。

 子どもに寄り添い、傾聴してあげてください。そうすれば、子どものつまずきを見抜く、気づくことができます。

 これが洞察力です。洞察力がわけば、子どもの考えが先に進むための足場をかけてあげることができるのです。

 足場をかけるとは、環境を用意してあげることです。無理にやらせるのではなく、「やらない」という選択肢も残しながら自然な形で促すのです。

 足場をかけたら、あとは子どもの可能性を信じて、子ども自身にまかせることがとても大事です。

 子ども自身が足を踏み出せば、自分自身の力で、本当に豊かな力は育っていくのですから。

 ひょっとすると、自分の接し方は「強制型だったかもしれない」と思った方へ。大丈夫です。子育てに「遅い」ということはありません。

 子どもの視点に立ち、子どもに寄り添い、信頼関係のある「安全基地」となってあげましょう。

 子どもが何か質問をしてきたときには、「生き字引」のように余すところなく定義や回答を与えず、また、裁判官のように「判決」をくださないように気をつけましょう。

 禁止や命令ではなく「提案」をする形で接することです。子ども自身が考え、判断する余地を残すことで、子どもの主体性、自律的思考力、創造的想像力が伸びていくのです。

 


プロフィール
内田伸子
(うちだ のぶこ)

1968年お茶の水女子大学文教育学部卒業、1970年同大大学院人文科学研究科修了、学術博士。お茶の水女子大学文教育学部大学院教授、子ども発達教育研究センター長、文教育学部長を経て、2005年より理事・副学長を務めた。2011年よりお茶の水女子大学客員教授・名誉教授、2012年より現職。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。著書に『世界の子育て―貧困は乗りこえられるか』(共著,金子書房,2012)『子どものつまずきには理由がある』(共著,PHP,2013)ほか多数。十文字学園女子大学理事・特任教授、学術博士お茶の水女子大学名誉教授、筑波大学客員教授


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