「話したくなる空気」をつくることから始めよう。「伝える・話す力を伸ばす」 池上流メソッド

2014年11月18日

コラム

子どもの発信する機会を奪う大人たち

 これについては、サッカーの現場にいる大人も反省しなくてはなりません。子どもたちに預けても話し合いにならないので、ついすぐに答えを教えてしまいます。

 私が「子どもに考えさせて。相談させて」と訴えても「そんなことに時間を使っていられない」という方は少なくありません。千葉で少年クラブへの巡回指導を始めた頃、行った先で「すみません。(このような指導を受けていたのでは)大会に間に合わないので」とやんわり断られたこともあります。

 このように多くの指導者が試合に勝つこと、良い成績を収めることを何より優先させるがゆえに、「伝える・話す」というスキルを身につける機会を子どもたちから奪っています。

 さらにいえば、保護者もそのような指導の価値を十分に理解し、指導者に求めているか疑問です。子どもを取り巻く大人全員が子どもに対し「勝て」「負けるな」「ああしろ」「こうしろ」と命じるばかりでは、自発的に行動してコミュニケーションをとる力は育ちません。

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