女子サッカーをただのブームで終わらせないために━━。もう一度考えたい女子サッカーの育成環境

2015年07月17日

コラム

いずれは親会社に頼らないクラブ運営を

――現在、神奈川の女子サッカークラブのシンボルとしての実感はしていますか?

 まずはハード面を整え、自らで選手を育ててトップリーグで戦うことを目標にクラブを立ち上げています。まだなでしこリーグ2部ですが、1部に昇格するのはもちろんのこと、近い将来、そこで優勝争いをするレベルに引き上げるつもりです。

 2011年にワールドカップで優勝し、女子サッカーは環境面を世間の方に知ってもらった上で評価してもらっています。率直に言えば、実力としての評価から少し上乗せされたことも感じますし、このままでは一過性のブームで終わってしまいます。

 だからこそ、サッカーをプレーするいい環境を持っている私たちのようなクラブがトップランナーとして走るのは義務だと思うのです。それは結果だけでなく、組織としてもそうです。女子サッカーをリードしていきたいという強い意志はありますし、私たちのクラブがスタンダードになりたい。

――女子サッカーはまだ企業スポーツというイメージが強いです。いずれは独立した形で経営も行っていく予定や計画は?

 どのスポーツクラブも、すでに企業に頼るシステムでは長く続けていくのは困難です。だからこそ、Jリーグは親会社に頼らず、独立採算できるクラブ経営・運営をとっています。3年連続で赤字を出せばリーグ降格などの罰則がありますし、女子もそうならなければいけないと思うのです。

 うちのクラブも当面は親会社に雇用が保証された上でサッカー活動を続けます。でも、親会社の経営に左右されるのは十分に承知しています。だからこそ、昨年2月から「ノジマステラスポーツクラブ」としてクラブの運営会社を新しく立ち上げました。いずれは親会社であるノジマから独立したクラブ経営ができることを目指しています。

0717女子サッカー②

<関連リンク>
『ジュニアサッカーを応援しよう! VOL.37』


プロフィール
菅野 将晃
(かんの・まさあき)
1960年生まれ。神奈川県出身。現役時代は古河電工サッカー部などで活躍し、1994年に引退。1995年から京都パープルサンガでコーチになり、以降、水戸ホーリーホック、大宮アルディージャ、浦和レッズユース、湘南ベルマーレで男子を指導。2009年に東京電力女子サッカー部マリーゼで初めて女子を率い、2012年にノジマステラ神奈川相模原のGM兼監督
 


 

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