バルセロナが実践するジュニア年代の戦術指導方法とは?

2015年08月25日

コラム

練習嫌いになってしまっては上達しない

 経験上、サッカーで活躍する子どもたちの多くは、本当にトレーニングが好きな子どもばかりです。チームメイトや大人からたくさん褒められることによって、努力を継続することができます。プレーが上手にできた時にモチベーションは上がりますし、他人からの声がさらにやる気を後押ししてくれます。
 
 しかし、反対のことも起こりえます。子どもたちの中には、非常に高い能力を持っているのに上手にプレーすることができない子どももいます。年齢の割に体の成長が早かったり、手足が極端に長かったりして、体のバランスが取れない子や、成長が極度に遅い子どもたちが、それに該当します。指導者は、成長の早い子どもについては、体のバランスがいつ頃整うのかを予測しなければなりません。また、成長の遅い子についても、その選手がいつ成長期を迎えるのか考慮しつつ、指導することが大切です。

 こうした選手たちの多くは、うまくプレーできないとき、チームメイトや大人たちから、「下手だな」と言われ続けてモチベーションを下げてしまい、練習嫌いになってしまいます。トレーニング回数が減れば、上達もしません。成長が感じられなくなることで、さらに練習から気持ちが離れていきます。トレーニングから遠ざかれば、絶対にうまくならないでしょう。

 今まで得てきた経験から、私たちは、指導者や経験の少ない選手たちに、プレー中に、選手たちが状況を正しく分析できない理由について説明することができます。たとえば、成功するはずもない難しいシュートをどうして打つのか。シュートを打てば入るという場面で、味方にパスを出してしまうのはなぜか。味方がボールをもらえる状況においてレガテ※4をしてしまうのはなぜか。自陣ゴール前の危険なゾーンでなぜ相手を突破しにかかるのか。これらの現象が起こる理由は次のようなものです。

・状況を分析する力を十分に養うことができていない。その原因は、プレー経験が少ないこと、素晴らしい選手のプレーを見ていない、受けている戦術トレーニングが正しくないということが挙げられます。

・自分の目で局面の情報が掴めていないにもかかわらず、無理にプレーをしようとして失敗していること。これは過度な緊張が原因となっていること
が多い。

・サッカーのルールの理解不足。プレー中に、オフサイドポジションにいることに気づかなかったり、攻守に渡りインテリジェンスが欠乏したりしている。

・選手自身のテクニック不足。技術が足りないことで、ボールから目を離せず、状況を確認できなくなってしまう。

※4 ボールを持った選手が、相手を騙し、フェイントやリズムの変化を用いて目の前の相手を突破する動き

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