得点力アップのためのヒントを探る
2015年10月21日
コラム指導者は裏付けある知識を持ち個々に合ったアドバイスを送る
もう一つ興味深いポイントがある。それは『GKとの駆け引き』だ。教授はこれを『シュート戦術』といい、サンフレッチェ広島のFW佐藤寿人選手を実例に挙げた。
同選手は7月末にJで12年連続2ケタ得点を記録。プロサッカー選手の中では身長も低く、スピードがあるわけではない。その中でも第一線で得点を奪い続けられているのは、シュート戦術が優れている証だという。GKとDFとの駆け引きでフリーになるスキル、一瞬のスキを見つける能力、GKの体勢を見抜いて重心や動き出しのタイミングを外す洞察力など日本人FWが参考にできる点は多い。
ここで富岡教授が指摘したのはジュニア世代の指導者によるオーバーコーチングだ。
「東京経済大学のサッカー部で指導をはじめて30年以上経ちます。今の選手たちはパスをつなぎ、周囲と連動してサッカーをします。ボールテクニックにも優れ、いい判断もできています。しかし、それは自分たちが主導権を握っている場合に限ります。対戦相手が優位に立っている場合、状況を打開したり、試合の流れを変えたりすることができないことに問題を抱えています。きっとジュニア世代から『なぜ?』を問いかけられず、指導者にある程度の答えを示されていたのが原因だと思います」
確かに日本人の指導者はキックを教えるときも足首を固定してつま先まで伸ばすなど『型』にはめすぎている。子どもたち一人一人によって体型や体の柔軟性などが違うのに…。教授はこう続けてくれた。
「たとえば、毎回の練習で15分ほどの時間を子どもたちに与えてはいかがでしょうか。練習メニューを考えさせ、自分たちですべて取り組ませるのです。そうすれば必然的に『なぜ』そのメニューを考案し、練習したのかを考えざるを得ません。継続すれば、試合の中で起こる『公式外』の状況を個々で打開できるようになるはずです」
カテゴリ別新着記事
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.25
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.25
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.25
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.25
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.25
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 「JFAナショナルGKキャンプ」参加メンバー発表!
- U-20 Jリーグ選抜メンバー発表!【International Youth Invitational Football Cup at KTSP June 2025】
- 「2025ナショナルトレセン女子U-14前期」参加メンバー発表!
- サッカーは「1対1」ではなく「2対1」がベース。海外の指導者の8割がそう答える、海外では当たり前にある感覚
- 関東トレセン女子U-15(前期) が開催!
- U-16日本代表メンバー発表!【U-16インターナショナルドリームカップ2025 JAPAN】
- 「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!
- 東京都伝統のトレセン大会「TOMAS CUP」 で輝いた5人の選手たち/ジュニサカMIP
- 父が語る鮫島彩選手の素顔。女子サッカー界屈指の実力を持つサイドバックの原点はジュニア時代に
- 「お前なんか絶対に一流になられへん」。”努力家”本田圭佑の原点【前編】