日本に守備の“スペシャリスト”が現れない理由とは
2015年11月18日
コラムGKとCBに人材が少ない理由は主に3つ考えられる。
①体格
②育成
③リーグの性質
まず、体格については仕方がないようにも思えるが、日本人に大きな人がいないわけではない。プロ野球をみれば、GKやCBとしてインターナショナルレベルでも十分通用しそうな体格の選手がかなりいる。競技の性質が違うとはいえ、日本は人口も多いのでそれなりの人材はいるのだ。ただ、大きなアスリートは野球に集中している。ヨーロッパや南米のように人材がサッカー界に集中している状況になれば、体格の問題はある程度クリアできるのではないかと思われる。
日本人GK、CBの層を厚くしたいのならば、野球との棲み分けを上手く構築していくのも手だろう。サッカー選手にも野球の才能がある人はいるだろうから、少年期に両方をプレーできるような関係を作り、向いているほうを選べる環境があれば良いと思う。
とはいえ、当面は自前で育てていくしかないので限られた人材を育成で伸ばす努力をすることになる。
GKは専門分野なので専門的なトレーニングが必要なのは論をまたないが、実はCBについても同じことがいえる。CBはフィールドプレーヤーなので、止める蹴る運ぶといった技術が求められるのは当然ながら、ヘディングとタックルのスペシャリストでなければならない。これがなければ自陣ゴール前でCBとしての役割を全うできないわけだ。そして、どちらについても体格は重要な要素になる。
空中戦というと高さが問題になるが、単純な高さだけでなく強さや重さも必要だ。空中戦に強いタイプにも、ジャンプ力に優れていて高く跳べるタイプと、幅で競り勝つタイプがいて、CBに関しては後者が多い。いくら高く跳べても、ボールの落下点に入れなければボールには触れない。落下点の奪い合いに勝って体の幅で相手を締め出してしまえばいいわけだ。そうした体の入れ合いを制するパワーが要求される。
高さやパワーは体格だけがすべてではないが、やはり大きいほうが基本的には有利。大きな選手はさほど器用でないことが多いのだが、CBに関してはボール扱いよりも体格やパワーのほうが優先的な素質である。技術は練習すれば必ず伸びるが、体のサイズは練習ではどうにもならないからだ。
育成において、GKは当然のことながら、CBにも固有の才能があることは広く認識されなければならない。MFやFWを育成するのと同じではなく、ボールテクニックの面でCBは晩成型であることを承知して、スペシャリティを伸ばす指導をしなければ、真のCBを育てられなくなる。(続きは『フットボール批評08』でお楽しみください)。
⇒本当にチームの勝利に貢献しているエースは誰なのか? 逆に期待を裏切ってしまった選手は? ゴールやアシストといった数字だけでは見えてこないその選手の真価やピッチ内外でのチームへの貢献度を探るべく、2015シーズンにおけるJ1クラブの主力選手のパフォーマンスを記者が採点&評価。各選手のデータも満載で、いままでにない選手の通信簿、大公開!
フットボール批評issue08
【発行】株式会社カンゼン
B5判/128ページ
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