震災を乗り越えて――。ソレッソ熊本が挑んだチビリンピック全国大会
2016年05月10日
コラムあれができなかったではなく、こんなこともできたという経験に
取材の最後に広川監督は、こう話してくれました。
「僕ら大人の1年と子どもの1年は大きく意味合いが違います。大人になると、同じようなサイクルで1年が回りはじめますが、小学6年生の1年間は一生に1回しかありません。だから、地震の影響であれができなかった。これができなかったとは極力ならないように、僕ら大人が全力でサポートしてあげるんです」
ソレッソ熊本の選手たちにとって、大人になってからも、2016年4月14日の熊本地震の発生からチビリンピックが閉幕した5月5日までの3週間にあった様々な出来事は、いろいろな機会で思い出すことがあるでしょう。「あのときは辛いことばかりでなにもできなかった」ではなく、「大変だったけれど、こんな経験ができたよね」と思い返すことができるのではないでしょうか。
「地震を乗り越えて強くなった。これからは普段の生活から変えていきたいと思います。それはチビリンピックに出場しているような強いチームは、みんな試合以外のところでもきちんとしていたから。こういうところはプレーにもつながると思いました。まだまだ自分たちのチームは足りないから直していきたい」(ソレッソ熊本・原田樹行くん)
「今回の大会で気持ちが強くなった。負けても次にやってやろうという気持ちをもつことができるようになりました。準決勝では悔しい思いもしましたが、この経験はこれからに活かせそうです」(ソレッソ熊本・北浦壮真くん)
準決勝のあとは、悔しさに涙を流した選手たちでしたが、ひとしきり泣いたあとは、どの選手の表情も晴れやかだったのが印象的でした。「SORISSO:ソレッソ」とはイタリア語で「笑顔」という意味。すでに選手たちは、そのチーム名のように笑顔へと戻り、前を向いて歩きはじめていました。

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・JA全農杯チビリンピック2016小学生8人制サッカー大会
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