類似するふたつのボールゲーム。フットボールとハンドボールの間にいるバルセロナの存在
2015年06月12日
コラム14-15シーズンにリーガ・エスパニョーラ、コパデルレイ、チャンピオンズリーグと3冠を達成し今シーズンを締めくくったバルセロナ。実はハンドボールチームも三冠(リーグ・カップ・欧州)を達成している。ハンドボールといえば、サッカーの戦術の何十年も先を行くとも言われ、欧州の名将たちはハンドボールを参考にして新しい戦術をつくりだしているとも言われている。そこには一体どんな理由があるのか。男子ハンドボールU-21日本代表でコーチを務める吉村晃氏にサッカーとハンドボールについて分析をしてもらった。
(取材・構成・文●高橋大地(ジュニサカ編集部) 写真●Getty Images/編集部)
類似するふたつのボールゲーム
──今回お話をお伺いしようと思ったのは、ハンドボールとサッカーは非常に似ているな、と感じる部分があったからです。それで、調べてみると「ハンドボールの戦術はサッカーの何年も先に行っている…」や「サッカー界の名将たちはハンドボールの戦術を参考にしている」という意見が多々見られたのですが、日本ハンドボール界の最前線で活躍されている吉村さんの目から見てハンドボールとサッカーは似ていると思いますか?
結論から言うと、非常に類似している点は多いと思います。しかし、戦術に関しては僕の考えは少し違っていて、ハンドボールの戦術がサッカーの先を行っているということではなくて、“ある球技を右から見ているか左から見ているかの差”というのが僕の印象です。
よく、手でボールを扱うから戦術の面で特化するしかなくなるという意見を見たりしますがあれは勘違いです(笑)。ハンドボールもサッカーと同じミスのスポーツです。
──“ある球技”というのは具体的にはどういったものですか?
1つの丸いボールを使い、GKがいる四角いゴールを狙う球技ですね。わかりやすく言えば、GKがいる四角いゴールを狙うボール球技のなかで足に特化しているのがサッカーやフットサルで、手に特化しているのがハンドボール。
類似というよりは、お互いが1つの丸いボールを使い、GKがいる四角いゴールを狙う球技であるという表現が近いのかもしれません。
僕は現代ハンドボールやサッカーを通して、両方がその「ある球技」へ向かって集約していると感じています。
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