FC東京育成部長が語るU-12からトップまで一貫した育成プラン。目指すは「育成の前倒し」

2016年07月15日

インタビュー

ユースの選手に刺激

――このことは、今シーズンからFC東京のU -23がJ3に参入したことにつながると考えられます。今年からU -18が強化部に移行しました。そこに、久保くんのような中学生の世代がU -18に登録されました。BチームからAチーム、AチームからU -23と、どんどんスライドして行ってJ3の試合にも出場できます。

 6・3・3の教育制度である意味プロテクトされていたものがなくなりました。でも、ヨーロッパでは2学年という区分けが当たり前ですし、大会の規定もそうなっています。より強い刺激を与えることで選手としての自覚なり、責任感を持たせて成長を促すことが根幹にあるような感じがしています。福井さんとしては、そこをどう思いますか?

福井「『幼さ』と親の距離感は密接に関わっていて非常に大切だと思います。6・3・3制の中でプロが出来ていて、これはクラブの課題というよりも日本の課題でもあると思います。18歳でユースを卒業してプロになります。Jリーグを立ち上げた頃は教育リーグのようなものがありましたが、いろいろな側面で経験を積まなければいけない時期に、今は一番鍛えなければいけない時期に選手たちが試合に出場できない問題を抱えています。

 レベルは置いておいて、勝負がかかる環境を与えることで選手は刺激を受け成長のスピードを上げていきます。FC東京はU-23がJ3に参入することで、彼らの成長スピードをもっと上げていく環境を作りました。それに伴い、U-18の選手たちはプレミアリーグで戦いながら、J3の試合にもチャレンジできる環境にあります。

 J3で出場できるチャンスがあるという点では、ユースの選手には刺激があるし、成長につながります。ゲームスピードが違うので、彼らにはプラスに働きます。同時に、フィジカルが完成された選手たちと戦うので、技術的側面だけでなく、身体的側面でもゲームを通じていろいろなことを学ぶ機会を与えられています」

――U-18からU-23というカテゴリーではつながりが見えますが、中学生の年代はどうですか?

福井「自分たちよりも2、3歳年上の選手たちがもう間近にプロの世界にチャレンジできています。そうなれば必然的にU -15の選手たちの目標も上がりますよね。彼らの意識が変化していくことを期待しています。能力がなければいけませんが、代表的な例が久保建英です。全ての選手に可能性はあると思います。中学3年生がJ3の試合に何人も出場する時代がくる可能性もあるし、そういう意味では必然的に選手たちの成長スピードが上がるような環境作りに、まずチャレンジできると思います。

 FC東京は12歳以下のチームを保有しているわけではありませんが、現実的に高校3年生の選手たちはJ3の試合にも出ていますから、今後は前倒し化が進み、実力に応じた昇格の動きが下の世代にシフトしていくものと予想できます。これまで高校3年生とか、中学3年生で見つめていたことを高校2年生や中学2年生で見なければならないから、ウカウカしている暇がないと言うこともできますね」

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【次ページ】武藤嘉紀選手の例

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