サッカーで最も大切な『認知・判断・実行』の磨き方。JFAユース育成ダイレクターはどう考える?
2016年12月08日
コラム止める、蹴る、運ぶ。ジュニア年代で身につけるべき技術として必須だが、その先のステップに最も大事な「認知・判断・実行」もサイクルがある。その重要性や12歳までに身につけるべき力について、日本サッカー協会の須藤茂光ユース育成ダイレクターに話を『ジュニアサッカーを応援しよう!VOL.43』から一部抜粋して紹介する。
文●鈴木康浩 写真●Getty Images、ジュニサカ編集部
『ジュニアサッカーを応援しよう!VOL.43』より一部転載
まずは「止める・蹴る・運ぶ」の習得を
――ジュニア年代の指導において「止める・蹴る・運ぶ」という個人のスキルの向上は不可欠ですが、今号では、ジュニア年代においてもその次のステップである「認知・判断・実行」のサイクルがより重要ではないか、というテーマを指導者などに伝えたいと考えています。須藤さんは今のお話を聞いて率直にどう感じますでしょうか。
須藤 日本サッカー協会としては「止める・蹴る・運ぶ」といういわゆる“テクニック”という言葉のなかには「判断」という要素も含める、と定義づけしています。かなり前からアナウンスはしていますが、なかなか浸透していないのが現状ですし、もっと発信しないといけないとも感じています。
とはいえ、周囲の状況を認知し、判断し、実行する、このサイクルをスムーズにこなすためには、まずジュニア年代において、その前段階の「止める・蹴る・運ぶ」、いわゆるボール操作の習得が非常に大事であると私たちも認識しています。やはり、小学校の低学年の頃から10歳くらいの頃までには、左右両足でのボール操作をそん色なく扱えるようになるのが理想です。
頭の脳の発達との関係もあって、10歳を過ぎてから「判断」できる脳になっていくと考えられているので、なおさらJFAとしても10歳頃まではしっかりとボール操作を身につけましょうとお伝えしています。なぜなら、ボール操作に自信のない子どもに「周りをみろ!」という声掛け、つまり次のレベルの認知や判断に繋がっていく話ですが、このときに足下のテクニックがおぼつかず、ボールばかり見てしまっていては、周りを認知する余裕など生まれないからです。
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