ドイツサッカー育成改革の根源。積極的な情報開示と“草の根”への投資

2017年01月23日

コラム

2000年の欧州選手権でグループリーグ敗退を喫してから14年後。ブラジルで行われたW杯で圧倒的な強さを見せて優勝を果たしたドイツ。この14年の歴史のなかでドイツサッカー界では何が行われていたのか。各年代のドイツ代表監督を務めた経歴を持つ、ベルント・シュトゥーバー氏の言葉に耳を傾ける。

(取材●中野吉之伴 構成●木之下潤 写真●Getty Images)

『世界王者ドイツの育成メソッドに学ぶ サッカー年代別トレーニングの教科書』より一部転載


Women's World Cup 2010 Road Show


『世界王者ドイツの育成メソッドに学ぶ サッカー年代別トレーニングの教科書』中野吉之伴さんトークイベント開催


DFBが取り組んできた育成指導に対する考え方

――ドイツは育成年代を支える『お父さんコーチ』に対し、何を大切にどんなアプローチをしていますか?

「DFBはライセンス指導者以上に、アマチュアの指導者に投資をしてきた。無料講習会を開き、車にトレーニング用具を詰め込んだDFBモビールという形で、現場におもむいてトレーニングを行う。DFBと地方のサッカー協会は信じられないほど多くの投資を底辺層の指導者にやってきたんだ。

 時間がない、興味がない、知識がないとされる指導者にアプローチを掛け、指導者育成の機会を設けている。我々は今だけではなく、将来についても考慮しなければならない。そのために何ができるか。

 それは、14〜15歳までの選手の指導者を少しでも改善し、成長させることが重要だ。指導者のレベルが劇的に上がることはない。しかし、これしか可能性がない。『指導者講習会に参加しろ』と強制するとなどできないのだから」

――育成教育を受けていない指導者は、自身の選手の頃の経験をもとに教えようとします。

「そういう人たちは経験がないことを自覚しないといけないんだ。指導者としての経験がね」

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