サッカー進路を考える。「私立中学サッカー部」の場合

2018年11月21日

コラム

町クラブ、Jクラブ…とサッカー進路には様々な道があるが「部活」も選択肢の中の一つである。「部活」というクラブチームとは異なった環境は、選手たちにとってどんな利点があるのだろうか? 昨年、東京都代表として全国中学校サッカー大会で準々決勝まで勝ち進んだ東海大菅生高校中等部サッカー部、藤原利文監督の話に耳を傾ける。

『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.48』より一部転載

取材・文●木之下潤 写真●ジュニサカ編集部


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サッカー部の練習ではなく、 サッカークラブの練習をする

 昨年、東京都代表として全国中学校サッカー大会に出場した東海大菅生高校中等部サッカー部。結果は大会四連覇を達成した青森山田中学校に準々決勝で敗れたものの、持ち前のボールを動かすサッカーを展開して存在感を示した。

 サッカー部は、この10年で関東屈指の強豪校となった。その要因となったのが、スペイン人指導者のジョアン・サルバンスの存在だ。藤原利文監督は彼との出会いをこう振り返る。

「ジョアンとの出会いは2007年。うちでサッカークリニックを開いてもらったんです。その日、練習を始めて早々に『情熱がないからゲームをやって終わろう』と言い出しました。『日本の子どもがシャイなのはわかるけど、もっと情熱を出してもいいんじゃないのか』というと、練習を止めてゲームを始めました。

『お前も入れ』と指導者も混ざり、全員でゲーム大会。子どもも大人もキャッキャと騒ぎ、90分経つと、その日はそれで終わったんです。その後、ジョアンは『いい練習だったじゃないか。来週はあんな練習をしような』と帰って行きました。

 そこから私は一切口出しすることを止め、翌週からジョアンと選手だけの空間を作り、見学していました。すると、どんどん子どもたちが変わっていき、その時に『問題が指導者にある』ことに気づきました。今までの経験やそれまでに学んだ指導法ではなく、もっと違った視点でサッカーを考えることが必要だと気づかされ、指導の内容が大きくか変わるキッカケになりました」
 
 取材は練習を終えた後だった。だから、一通りトレーニングを見ていたのだが、ボールを扱わない練習は一切しなかった。それは2007年からアドバイザー契約を結ぶジョアン・サルバンスの教えでもあるのだろう。中学校サッカー部のトレーニングとしては濃い練習内容だった。

「私たちは基本的にボールを持ってプレーしたいと考えています。どんなにレベルが高い相手であろうと、ボールとともにプレーする時間を少しでも作ることができるように戦っています。だから、練習メニューでボールのないものはないし、チームがどうやってボールを持つか、そのためのサポートや選択肢をどう作るかを一年生の頃から個々に応じて指導しています」
 
 サッカーの指導はボールそのものの扱い方を教えることではない。ボールをどこに置き、いつどこでどう扱うのかを選手に理解させるのかが大切であり、そのために周囲がどのような状況なのかを認知させなければならない。そういう働きかけを個々にできるかどうかがサッカー指導者の役目である。

「私は、子どもたちに『何年経って親父になってもサッカーが楽しめるスキルを身につけろ』と声をかけています。年老いても技術や考える力は衰えることはありません。ボールをうまく扱えて、周囲とプレーができればサッカーはいつまでも続けられます。私たちの学校は私立だから受験に合格すれば誰でもサッカー部に入れます。だから、初心者だって入ることもあります。ただ選手たちに求めているものは、ボールをちゃんと止められて、15mぐらいのパスを正確に出せて、適切にボールを運べて、周囲とサッカーができること。どんなに体が大きくなっていっても、そういうプレーがうまくできなければ宝の持ち腐れですから」

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【東海大学菅生高等学校中等部サッカー部の藤原利文監督】

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