「足の負担を少なくする動き方」ってどんな動き方? 体全体を使った動き方を学ぶ

2017年02月28日

コラム

2月18日に千葉にて、スペインのRCDエスパニョールやベガルタ仙台でトレーナーを務めた経験を持つ松井真弥氏が「足に負担をかけない動き方・体全体を使った動き方」をテーマに実技講習会を開催した。ジュニサカ編集部は、その実技講習会に実際に参加しカラダを動かしながら取材を行った。今回は、その実技講習会の様子をポイントをしぼってレポートする。

取材・文●木之下潤 写真●古賀庸介、ジュニサカ編集部


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サッカーの動きは前に進むだけではない

「みなさんがやっている『腕を大きく振り、足をダイナミックに動かして走る』動作は下半身、特に足に疲れが溜まりやすく、膝に負担がかかりやすい動きです。そういう動作を長く続けたらオスグッド病などの原因にもなってしまう恐れがあります。一見、この走りは体全体を使っているように思いますが、上半身と下半身をうまく連動させられていない場合が多いです。

 そもそもサッカーは真っ直ぐに走るスポーツではありません。左右、前後、斜めにより素早く動けたほうが実践に生きます。私はいま整形外科に勤務していますが、小学生で病院を訪れる子の多くは足を踏ん張って走ったり急な方向転換を続けたりした結果、オスグッド病などのケガに悩まされて診察に来るケースが大部分を占めています」

 松井氏は、このような実技講習会を開いている主な理由を説明した。続けて、次のように語った。

「足は骨盤に対し下から、垂直ではなく大腿骨の先の部分で角度を付けて斜めについてます。『足を動かす時に腕を振れ』とよく言いますが、詳しくは腕ではなく骨盤(肩甲骨)を動かすことなんです。

 この骨盤と、連結してる足の構造上、足を前に振り出すには骨盤を前後に動かすのではなく、上下に動かす事により、足の筋肉の最小限の力で、足が自然に前に振り出されるのです。

 体の仕組みでいえば、骨盤(肩甲骨)を上に引き上げると足は自然に前に出る。右側の肩甲骨を引き上げてみて下さい。そうすると、右の足が引き上げられて右足が前に出るはずです。つまり、人間の動作には肩甲骨と骨盤が密接に関係しています。

 ここで切り離せないのが、姿勢です。よく守備時に『腰を落とす』『重心を低くする』などの言葉を耳にすると思います。でも、その体勢からの動きは足の力だけで体を運んでいるから、試合の中では0コンマ何秒の遅れが出てしまう。この動作は行きたい方向に進む前に、逆足で勢いをつけて走っているはずなんです。

 例えば、守備で左に対応したい場合、勢いをつけるために右足で『ヨイショ!』という感じで地面を蹴って左に進んでいる方も多いのではないでしょうか。左に進みたいのに一度右足で勢いをつける動作自体、そもそも無駄な動きが一回入っているんです。

 しかも腰を落とせば当然、猫背になって骨盤に上半身が乗っていませんから下半身の力だけで動くことになる。イメージしてみて下さい。勢いをつけるために膝をたくさん曲げ、足の力だけで自分を動かし続けたら……。ジュニア年代の選手の膝が悲鳴をあげるのは想像できるはずです」

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