『独自の移籍禁止ルール』廃止へ。改めて考えたいジュニアの育成現場の今

2017年03月14日

コラム

移籍禁止というローカルルールはなぜ放置されているのか?

 たとえば東京都の場合、4種のチームを管理するのは、上位機関から順番に日本サッカー協会、東京都少年サッカー連盟、各地域ブロック連盟、各市区町村連盟と連なる。この末端の各市区町村連盟を構成するのは、各少年サッカーチームで四半世紀以上に渡って代表を務めてきたような地域の重鎮たちだ。彼らは長い付き合いのなかで、さらにメンバーの入れ替わりもなく、ときに強い縄張り意識で結ばれる。今でこそ是正されたが、10年ほど前、滋賀県クラブユースサッカー連盟で実際にあった悪質な事例がある。

「新しいチームができてもすぐに加盟させないルールを作っていたんです。1年目は連盟に準加盟登録の扱いをして、2年目に大会に出場できるようになるが、これも準加盟なのですべての大会には出場できない。そしてようやく3年目で公式戦に出場できるようになる。新たなチームができると自分たちのチームの選手が移籍して奪われる可能性があるからルールで阻止していた。いわば、先住民の利益を守るための勝手なルールが県連盟レベルでまかり通っていた」

 移籍禁止ルールに、さらに保険をかけるかのようなチームの登録禁止ルールである。悪質なローカルルールが横行する時代だったが、かつて関西ではこれらの悪しき慣例を大きく是正することになる転機があった。2007年、保護者などから不明朗な会計処理を指摘されていた協会の少年部門委員長が辞任に追い込まれた事件だ。

「この事件があったのが10年ほど前。それ以後、協会組織やルールがトップから整理されたという経緯があるんです。だから、今となっては小さなエリアの連盟には登録に関する裁量がほとんどない。首都圏で起きている4種のローカルルールの問題は関西ではまずないと思いますよ」

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