“夢”は次の代へ ~『人と人とのつながりを大切にする』シルクロードSCの卒業式~

2017年03月29日

コラム

次の代に“夢”を託す代表ユニフォームの引き継ぎ

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 21名の卒業生全員が卒業証書を受け取ると、シルクロードサッカークラブにとって大切なイベント「代表ユニフォームの引き継ぎ」が行われました。公式戦のときに着用するユニフォームで、卒業生から譲り受ける下級生にとっては、今度は自分たちがシルクロードサッカークラブを背負うという気持ちの引き締まる瞬間であり、卒業生にとっては、いよいよ卒業のときとなるのです。

 やがて場内は暗転すると「思い出のスライド」が上映されました。本編が35分、おまけの映像が5分ある大作です。スライドを制作した、卒業生の父・谷本裕史さんに話を聞きました。

「昨日は映像の仕上げで完徹でした(笑)。でも、今は卒業式まで無事に終わってホッとしたという感じですね。シルクは、子どもたちに大人の考えを押しつけたりするようなことはせず、個々を伸ばすように自由にのびのびとやらせてくれました」

 そもそも34期のはじまりは6人のメンバーしかいなかったといいます。谷本さんの息子・一波くんも別のサッカークラブに所属していました。けれども、保護者同士で情報交換をしているうちに、シルクロードサッカークラブの指導が高い評価を得ていたことから移籍をすることになったのだとか。

「21人にまでなったのは、いいメンバーが揃っていて、いい指導をしているというのが口コミで広まったからだと思います。この地域では移籍に関するトラブル(引き留めや嫌がらせなど)は聞いたことないですね」

 仲間が増えるとともに、チームは着々と実力もつけ、6年生になって向かえた『第40回全日本少年サッカー大会 東京都大会』は決勝まで進出しました。府中新町フットボールクラブに対してPK戦までもつれる接戦を演じ、あと一歩で全国大会の切符こそ逃しましたが、東京都第2位の座を獲得するまでの躍進を遂げたのです。

 卒業生の母・宇田川晃代さんと藤瀬有希子さんは、このように振り返ってくれました。

「最初の頃は、試合中に砂遊びをしていたり、試合のときにふてくされた態度をとったりしていることもありました。そんなこともあったのに、いつのまにか、こんなに成長したんだなって思います。この6年間の活動は子どもたちにとっても宝物になったと思います」

 卒業式の終わった会場では、卒業生を中心に写真撮影が続いています。その様子を見ながら、谷本さんは「明日から1泊2日で卒業旅行にみんなで行ってきます。シルクは親同士も仲がいいんです。お母さんはお母さん同士。お父さんはお父さんでね」と教えてくれました。

かつてシルクロード(絹の道)を通じて広がっていったシルクのように、人と人とのつながりが、シルクロードサッカークラブを通じて広がっていくようです。

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