“チームの結果”と“個々の育成”を両立させるアルゼンチンの育成法。ジュニア世代から求められる専門性
2017年04月14日
コラム常に実戦を意識したアルゼンチンのトレーニング
このように、アルゼンチンでは選手を基準にフォーメーションを考えるのではなく、フォーメーションに合った特徴を持つ選手を配置していく。仮にレギュラーの選手が故障した場合も、他のポジションからコンバートするのではなく、控えの同ポジションの選手が起用される。このサイクルをジュニアから、トップまで繰り返すことで、そのポジションに特化した“専門家”が育成される。そして、ポジション内で激しい競争が生まれ、モチベーションにもつながっていく。
肝心な個人戦術の身につけ方についても触れたい。ラヌースではジュニア世代の練習メニューは、大半がゲーム形式となる。もう1つ加えるなら、正しいポジショニングや判断、動き方を身につけるため、ポジション別で、程度のステーションに分けたコーディネーショントレーニング。練習中に細かい技術指導はほとんど行わないが、コーチが練習中に20回、30回と練習を中断するという光景は珍しくない。そこで、「なぜそのプレーを選択したのか? こういうケースではどうする?」といったことを、子どもが納得するまで話し合う。
ラヌースの指導者に共通していることは、短い言葉を選び、わかりやすくシンプルに伝える意識が高いことだ。そして、はっきりとした答えを開示する。その中で、子どもたちに徹底して過程を考えさせる指導を行う。繰り返し、何度も伝えることで始めて規律が植えつけられていく。飯沼氏は、取材の最後にこんな提言を残した。
「ラヌースが何か特別なことをしているわけではありませんし、古典的とさえいるかもしれません。練習内容の“精密さ”という点では、日本のほうが質ははるかに高いと思います。実際に、クラブにはリフティングがろくにできない子どももザラにいますし。
ただ、アルゼンチンでは、どの世代でも常に実戦を意識して練習に取り組んでいます。そんな環境で練習するから、ジュニア世代でも生きた技術や、判断力が身についていく。そういった意味では、日本は少し先進的な技術に傾倒しすぎている部分もあると思いますし、サッカーの本質からかけ離れている側面もあるかもしれません」
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
LISEMが特別選考員に! 学生寮、グラウンド完備のJFSA高等学園が特待生、準特待生を選考するセレクションを開催2025.10.03
-
U-16日本代表、ウズベキスタン遠征参加メンバー発表!2025.10.03
-
サッカー日本代表メンバー発表!三笘薫が招集外。田中碧や中村敬斗が代表復帰!2025.10.02
-
【2025ナショナルトレセンU-14中期】参加メンバー発表!2025.09.26
フットボール最新ニュース
-
日本人選手所属ザルツブルクは後半AT弾で敗戦【25日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
-
ベティス、マンUから完全移籍の7番が劇的同点弾【24日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
-
バルセロナ、マンUから加入FWの活躍で強豪撃破【18日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
昨季王者PSGが4発快勝。白星スタート【17日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
アーセナルは交代策的中で白星【16日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 『JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12』2017年度の参加メンバー768名を発表【変更あり】
- なぜ「レギュラー」と「控え」ができるのか? ”子どもたちの幸せを生む”育成環境を考える【5月特集】
- 「もも上げクランチ」でキック力を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- ポゼッションが目的ではない。バルサメソッドの創始者が語る「ロンド(鳥かご)」の本質
- 「お前なんか絶対に一流になられへん」。”努力家”本田圭佑の原点【前編】
- 【2025ナショナルトレセンU-14中期】参加メンバー発表!
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 運動神経は”才能”ではない!? スポーツ上達の秘訣は「脳」にあり
- 「ガラスの天才」比嘉厚平。指導者になった今、何をおもうのか
- 練習中にふざける高学年