子どもが自分の進路を決めるとき。親のサポート法「何も言わず、心の中で応援するのが一番」

2017年06月23日

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Jリーグのジュニアユースチームに入りたい。自分のプレースタイルにあうチームに入団したい。子どもが自分の進む道を決めるとき、親はどんなサポートができるのでしょうか。今回はベストセラー『子どもの心のコーチング』(PHP研究所刊)の著者として知られる、NPO法人ハートフルコミュニケーション代表・菅原裕子さんの言葉から『親のサポート法』について考えていきたいと思います。

文●岩本勝暁 写真●ジュニサカ編集部

『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.42』より転載


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親が否定することで子どもは自信をなくす

――強豪チームに入団するには、競争率の高いセレクションを勝ち抜かなければいけません。サッカーに打ち込む子どもを持つ親は、どう見守ればいいのでしょうか?

 親御さんは何も言わず、心の中で応援するのが一番です。おいしいお弁当を作って、子どもに「練習を見に来て」と言われたら見に行ってあげる。そして、練習が終わったら「おつかれさま」と言ってタオルと飲み物をわたしてあげるのです。「さっきのシュートは何よ!」「そんなことじゃあ、受からないわよ」なんて絶対に言ってはいけません。けっして口出しをせず、一人の応援者として見守ってあげることです。

――とは言え、子どもがセレクションを受けるときは、親も様々な情報を得ようとします。子どもの自立心を養う上で、親はどこまで介入すればいいのでしょう。

 大前提として、お子さんもいろいろなネットワークを駆使して情報を得ているはずです。友達同士で情報交換もするし、今はインターネットもありますからね。親御さんもいろいろと調べていると思いますが、まずはお子さんが持っている情報を優先してあげたほうがいいでしょう。その上で、その情報が間違っていないと思ったら、「そうなの」と同意してあげてください。

 ただし、それだけでは決められないことも、もちろんあります。子どもが調べることには限界があるし、情報が足りなかったり、見方が狭かったりすることもあるでしょう。ポジティブなのはいいけれど、ちゃんとリスクも考えないといけません。そこは親御さんが質問することで、お子さんが 「もうちょっと調べたほうがいいな」と考えるように誘導してあげます。

 間違っても、「調べ方が足りない」や「考え方が甘い」と頭ごなしに言ってはいけません。親の意見が先に出てしまうと、子どもがやりたいことよりも、親がやりたいことをただ叶えるだけになりかねません。そうなると、子どもの意欲を失ってしまいます。「うるさいな。ほっといてくれよ」なんて言われてしまい、親子の間に溝ができてしまうでしょう。

――仮に希望するチームに入れたとしてもレギュラーになれないかもしれません。レベルを少し下げてでも、試合に出られたほうがいいと思う親も多いと思うのですが

 明らかに無理だという場合は別にして、少しでもそのチームに入って活躍できる可能性があるのなら、子どもの意見を優先してあげてはいかがでしょう。あるいは、「どう?チームに入ったらレギュラーになれそう?」とか「一度、コーチに相談してみる?」というように、子どもが少しでも現実的に考えられるような問いかけをしてください。はじめから「それは無理!」と決めつけるよりも、子ども自身に「行きたいけど難しいよな」と考えさせることが大切です。子どもが自分の意志で動く会話に持ち込んだほうが、その子のやる気を潰さずにすみます。

――子どもがやりたいと思うことを否定してはいけないのでしょうか?

 もちろんです。子どもが親を信頼している場合は特に、親が否定することで子どもが自信をなくすケースがあります。「お母さんがそう言うからやめておこう」とか、あるいは反発して「じゃあ、いいよ」と相談さえしなくなる。ですから、けっして子どもが考えていることを否定するのではなく、「どうだろう?」「やっていけそうかな?」と一緒になって考えあげてください。そのほうが可能性は広がります。

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