怒鳴ることをやめたい。でもやめられない…。そんな人は知っておきたい“スポーツオノマトペ”とは
2017年06月23日
コラム清武弘嗣選手のドリブルは「パパパパパパッ」
――スポーツオノマトペの効果はわかりましたが、サッカーがよくわかっている指導者、瞬間の判断を即座に音にできるような指導者でないと難しいように思うのですが、お父さんコーチでもできますか?
音に含まれる感覚的なイメージや、音響的なイメージを動きと関連させることができれば、お父さんコーチも十分活用ができます。
たとえば、濁音(バン、ドンなど)は、力強い、強烈なというイメージに、Sの音(サッ、スッなど)は、速い、軽快なといったイメージを思い浮かべます。また、音に長音(ー)を入れることで運動の持続時間を調整したり、語の繰り返し(タンタンなど)からリズムを作りだすこともできます。オノマトペは、使っているうちに自然とコツがつかめてきますが、最初のうちは説明の補助として使ってほしいと思います。
たとえば、子どもをほめるときに、「今のフェイント、香川選手のようにヒュルヒュル~って見事だったな」など、香川選手というヒーローと、オノマトペをあわせて活用することで、やる気と運動のイメージがグングン浮かぶようになります。これは、子どもたちの目標設定として効果的です。子どもたちの動き、一流選手の動きのリズムをよく観察して、直感でオノマトペにしてみてください。
――なるほど。ほかにもできそうですね。
そうですね。たとえば、清武弘嗣選手のドリブルを「パパパパパパッ」という音に置きかえてみる。
でも、子どもがやってみたら、「パパパパパパッ」のスピードにならない。けれど、「僕は、清武選手みたいなパパパッをしたいな」と、自分を客観的に振りかえり、突きつめていくことができるようになります。いつか、憧れの選手に追いつきたいという動機づけになるんですね。そうやって小さい頃から、一流選手のプレーを、音のリズムに置き換えて学んでいくと、他の選手がついてこられない、オンリーワンの運動リズムを作りだすことができるようになると思いますよ。
――子ども自身がオノマトペを使って、選手の動きをイメージすることができる、と。
子どもは感性が豊かです。たとえば、家族やチームで、一流選手のプレーを見て、音にしてみる。子どもたちは、中村俊輔選手のフリーキックの軌道なども、何度も動画で確認して、「ヒュ~ウ~ン」などの音にして楽しんでいることも多いですよ。
もし、子どもが表現したオノマトペがわからなかったら、「それはどのくらいの強さ?、速さ、角度?」などと要点を質問してみる。コーチングとしての会話にもなるし、コミュニケーションの活性化にもなりますよ。
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