サッカーで大切なのは「負けたくない」という気持ちだけ。南米の選手がカラダが強い理由

2017年06月26日

コラム

アルゼンチンの指導者たちは『負けるな!』としか言わない

MADRID, SPAIN - DECEMBER 01:  Head coach Diego Simeone of Club Atletico de Madrid shouts with anger during the La Liga match between Real Madrid CF and Club Atletico de Madrid at Estadio Santiago Bernabeu on December 1, 2012 in Madrid, Spain.  (Photo by Gonzalo Arroyo Moreno/Getty Images)
【アルゼンチンには、ディエゴ・シメオネを筆頭に優秀な指導者を輩出し続ける土壌がある】

 では、アルゼンチンの指導者は、競り合いや球際の攻防で負けないこと、そのときの体の使い方などをどのように指導しているのだろうか。

「アルゼンチンではそんなに教えたりしないです。コーチたちは『負けるな!』としか言いません。選手たちはみんな負けず嫌いだから、黙っていても子どもたちが激しく競い合うなかで勝てる感覚やコツを覚えていくからです。

 でも、エスペランサで日本人の子どもを指導するときは伝え方に気をつけます。もう日本で十数年、ここで指導をしているのでわかるんです。日本の子どもはみんな素直なので、たとえば、ボールをキープする場面で『ボールを守って』と伝えると、相手がぶつかってくるときにただ守るだけで受け身になってしまう。

 そうじゃなくて、身体はしっかり相手に当ててほしいんです。相手がぶつかってくる前に自分からぶつかっていく。僕たちは『攻撃的』という言葉を使って指導しています。攻撃的に守ることがすごく大事なんです。相手が当たってくる前にドンと相手の中心――腰あたりにドンと当たれば、相手のバランスは崩れて、ちょっとだけ距離が取れます。それだけでボール際の攻防は優位になる。

 相手に対して、いつ勝負をかけるかですべてが変わってくる。それが駆け引きです。そういうことを一度は指導します。あとは回数です。自分で何度も繰り返しながら感覚を覚えればいい」
 
 逆に、ボールを奪いにいくときのコツは、ボールを持っている選手がプロテクトしようとするのを逆に利用すればいいのだ。

「相手はドンとぶつかってくるのだから、うまくそれを利用して、当たってくるタイミングを外して奪うとか。でも、ここでファウルをしてはいけないんです。ファウルをしたら負けです。ファウルをしてしまったら相手は100%、ボールを好きなようにリスタートすることができる。

 それでも、指導者から『ファウルをするな!』とは伝えません。そんな指導をすれば選手たちはボールを奪いに行かなくなる。だから『奪いにいけ!』とは言います。でもファウルはしてはいけない。そこは我慢とうまい駆け引きを感覚で掴むことが大事なんです」

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