「寝る子は育つ」はある意味本当。睡眠研究のスペシャリストが語る子どもの成長と睡眠の関係
2017年07月14日
コラム
【スタンフォード大学は科学の分野のみならず、バスケットボールやアメリカンフットボールチームも名門として知られている(写真●Getty Images)】
体や健康に対する知識の有無が他者との差につながる
さらに、睡眠不足であれば運動能力も低下します。
スタンフォード大学のバスケットボール選手が無理矢理1日10時間寝るようにしたら、パフォーマンスが良くなったという事例も聞いたことがあります。日本にもスポーツ医学というものがありますが、睡眠とスポーツに関する研究はまだまだ進んでいません。ただ、ケガの予防に関して睡眠が大事という認識は徐々に広まってきています。
しかし、慢性的な睡眠不足を治療しようとすると長期間かかります。選手たちに「睡眠は重要である」という認識自体が少ないのが現状ですから。まず大事なのは、本人が睡眠の重要性を知ることです。そのためには、親や指導者が睡眠の重要性を子どもたちに説いてあげること。その積み重ねが重要になってきます。慢性的な睡眠不足をユース年代から抱えていては、あまりにもネガティブな要素が多く一流選手にはなれないでしょう。
質の高い睡眠をとるためには、“体温の変化”に気を配る必要があります。体温は深部体温といって、通常昼間は高く、夜は低くなります。これは、夜になると手足で熱放散がおこるためです。赤ちゃんの場合、眠くなるとほっぺが赤くなり手足の体温が高くなります。極端な話ですが、この現象と同じです。例えば入浴などでは一時的に体温があがりますが、その後下降しますので、結果的にこういった体温の変化を助長し、寝つきも良くなり睡眠の質も向上します。
また、エアウィーヴという日本の寝具メーカーが行ったフロリダのスポーツアカデミーでの実験では、ユースサッカー選手も含め、50m走や敏捷性などの運動能力に関する計測をして低反発のベッドとエアウィーヴのマットレスで寝た場合を比べてみたところ、エアウィーヴのほうが良い結果が出たそうです。エアウィーヴは入眠時の体温下降を助長することがわかっています。
これが何を示しているかというと、睡眠にこだわっているアスリートほどパフォーマンスが高くなるということです。
前述のとおり、睡眠は発育に関わり12、3歳の子どもたちにとって非常に大きな影響を及ぼします。ただ、子どもであれば自身で気づくのはなかなか難しいかもしれません。そういった場合、保護者や指導者の方々が睡眠はパフォーマンスの上昇だけでなく、ケガの予防にもつながるということを繰り返しつたえていく。このような“体や健康に対する知識の有無”で他者との差が出るのではないでしょうか。
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