なぜ“石川直宏”は人を惹きつけるのか。今季での引退を決意した“ミスター東京”の少年時代

2017年08月04日

コラム

山瀬功治、茂庭照幸、駒野友一など日本サッカー界を背負う優秀な選手が集まっていた81年世代

 ふたりの弟が兄の背中を追いかけてきたことも、大きな刺激になった。  

 三男・扶は「兄貴は常に目標だったし、尊敬する人でした。でも『石川直宏の弟』って言われて、比べられるのが物凄く嫌でね……。確かに直宏は子どもの頃からスーパーだったし、兄貴みたいにならなきゃって思っていたけれど、やっぱり悔しかったですね」と正直な気持ちを打ち明ける。
 
 そんな弟たちの思いを、賢い直宏少年なら十分理解していたはず。だからこそ、自分がもっともっと頑張ることで、長男らしい姿勢を示したかったに違いない。
 
 6年生になると、横須賀シーガルズは神奈川県上位に躍進。県大会では順当に準決勝まで勝ち上がり、厚木市の「ゴールプランターズ」(GP)と対戦することになる。そこの守備の要だったのが、茂庭照幸(セレッソ大阪)。のちにFC東京やユース代表、五輪代表でともに戦うことになる屈強なDFが、直宏少年をマンマークしてきたのだから、両者のぶつかり合いは凄まじいものがあっただろう。結局、シーガルズはゴールプランターズに苦杯を喫し、準優勝となった。

「それでも、僕はこの年のナショナルトレセンU−12 に選ばれたんで、同年代の全国トップにどういう選手がいるのかわかっていました。山瀬功治(アビスパ福岡)とか森崎兄弟(浩司:2016年に現役引退 和幸:現サンフレッチェ広島所属)とか、駒野友一(アビスパ福岡)、野沢拓也(ベガルタ仙台)も来ていた記憶があります。同じ神奈川にいた茂庭もすごかったけれど、僕らの世代はいいタレントが揃っていたんですよね」

 たまたま小野伸二(コンサドーレ札幌)や遠藤保仁(ガンバ大阪)ら「黄金世代」のすぐ下だったため「谷間の世代」と揶揄されることになったが、確かに石川と同じ81年生まれには日本サッカー界を背負う優秀な選手が集まっていた。

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