子どもたちに必要なのは「豊富な体験」。外遊びが“空間認識力”を高める!?
2017年08月29日
コラムなぜ子どもは勉強を嫌いになるのでしょうか。なかでも小学校の教科のなかでも嫌いな教科第1位は算数なのだそうです。その理由は、「算数は積み上げの教科」という点が大きく関わっているのだそう。前回は現在発売中の『算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる』から『家庭でできる算数力アップ法』を紹介しました。今回は、『計算はできるけど文章題になると途端にできなくなる子』のお話です。
(監修●高濱正伸・花まる学習会 写真●Getty Images)
『算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる』より一部転載
豊富な体験が文章題、図形の力を伸ばす
計算はできるけど文章題になると途端にできなくなる子がいます。そういう子どもたちに多いのは、問題文を具体的なイメージに落とし込めないことです。「なんでもいいから絵や図を書いてごらん」と言っても書けないのです。語彙力が足りずに文意が読み取れない場合も含めて、こういう子どもたちに共通するのは経験総量の不足です。次の問題で説明します。
4メートルの丸太の木があります。80㎝ずつに切りたいと思います。のこぎりで1回切るのに3分かかり、そのあと休けいを1分とります。全部を切り終わるまでに何分かかりますか。
この問題を解くうえで大切なのは、切る回数と休けいの回数です。「1回切ると2本になることをイメージできているか。最後は休けいがないことに気づいているか」がポイントです。
4m=400㎝ 400÷80=5 5-1=4(回)
…切る回数4回で切り終わるので、休けいは3回ですみますから、全部で、3×4+1×3=15 答え 15分
生活体験の豊富な子はこうした問題をみると、丸太を切っている状況が頭の中に浮かび上がってくるのです。ときどき苦手だった算数や数学が大人になってからおもしろくなったという人がいますが、それは日常生活や仕事を通して経験総量が上がり、問題をイメージする力も上がったからなのです。
こうして考えると、子ども時代の多様な経験は学習面においてもとても重要なものだと言えます。たとえばキャンプなどの野外体験は、日常とは違う不自由な環境の中で、頭を使って工夫する場面がたくさんあります。縛るひもがなかったら丈夫なつるで代用するとか、大きな石を動かすには「てこの原理」を使うとか、創意工夫の中でしか伸ばせない考える力を育むことができるのです。
外遊びは空間認識力を高めます。空間認識力とは、目で見たものを立体としてとらえる力です。これは家の中よりも圧倒的に外に機会があることは言うまでもありません。たとえば、かくれんぼでは相手から見えない角度を必死に考えますし、昆虫を捕まえようと思えば、飛んでいく方向を予測しながらじっと待ちかまえます。彼らは遊びに熱中することで、五感をフルに使って想像力を働かせ、空間でとらえる力を身につけていくのです。これが立体の裏側を想像する力や補助線を思い浮かべる力につながります。
【商品名】算数嫌いな子が好きになる本 小学校6年分のつまずきと教え方がわかる
【発行】株式会社カンゼン
【著者】松島伸浩
【監修】高濱正伸・花まる学習会
⇒算数が嫌いになってしまう子、苦手な子の多くは自分がどこでそうなってしまったのか、えてしてわからないものです。本書では単元ごと・学年ごとに誤回答に基づいてつまずきポイントをあげながら、どのように解決していけばいいのかを伝えていきます。
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