久保建英と平川怜が感じた危機感。日本人選手に必要なのは「1対1をいかに“遊べる”かどうか」
2017年11月17日
コラム
【2012年からFC東京U-18の指導に当たっている佐藤一樹監督】
1対1をいかに“遊べる”かどうか
「まず、技術力が高いレベルにないといけない。意図したところに蹴ることができる、止められる、運べる、ヘディング。加えて1対1をいかに“遊べる”かどうか、局面をいかに自分で解決できるかだと思います。いろいろなチームを観ましたけれど、困ったときはみんな自分で(相手のマークを)剥がしている。パスコースがないから、周りが動いていないから、何もできない。そういうことではなく、眼の前の選手に“来いよ”と(勝負を挑む)メンタリティが出来ていた。フランスと日本の試合を観ても、フランスの選手のほうに余裕があったと思います。それはボールを奪う部分に関してもそうです。局面を制する力はすごく大事だなと思います」
日本の選手は組織的なプレーや献身性が評価されるが、言い換えれば1対1が弱いということにもなる。佐藤監督はこう続けた。
「大事なことは仕掛けていっているか、奪いにいっているか。この繰り返しです。局面でのマッチアップをエンジョイし、タフに戦いながら、攻守において相手が嫌がるプレーをする。もちろん年代が上がると考えが拡がり、サッカー観が生じます。局面を制するには、局面以外の情報をたくさん持っていないといけないのはたしかです。直接ボールを奪わなくとも、コースを消すことで対峙する相手と受け手を機能させないようにするプレーも必要です。でもあまり幼いうちにそういうことばかりを教えると策に溺れるから(笑)、まずは単純な1対1に勝つことを身に付けたほうがいい。ブラジルもパラグアイも1対1が強烈でした」
1対1に勝とうにも、フィジカルの差は10年や20年で埋まるものではない。ただ、フィジカルが技術のあとを追うように成長してきた久保建英が技術と知恵で対抗できうるという姿勢を示した点は、佐藤監督も認めていた。
「発達の遅い日本人は、U-17の年代では欧州、南米、イランの選手に比べて子どもに見える。そこ(フィジカルの差)は避けて通れませんが、賢いポジションをとれば勝機はある。相手の裏をかく、遊べるサッカー脳がないと、フィジカルが対等な条件下では埋没してしまう。そして、そのアイデアを表現するための技術も必要。フィジカルで並ばれると突出したものがないという選手にならないよう、ポジションをとろうという頭とそれを実現できる技術力があれば世界でも十分にやれるのではないかと思います。勇気を持って果敢に向かっていく久保の姿勢はひとつの(あるべきモデルの)提示になったはず。決してU-17ワールドカップの戦いぶりは悲観するものじゃない」
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