サッカーで起こりやすいケガの種類とは。 対処法とケガとの上手な付き合い方

2017年11月20日

コラム

ジュニア年代を悩ませる『オスグッド』との上手な付き合い方

 では、ジュニア年代に多いケガとは? 大人と子どもではケガの度合いも大きく違うという。

「スポーツにまつわるケガには、”障害”と”外傷”のふたつがありますが、大人に比べると子どもは”障害”が多いです。”障害”とは、捻ったとか、蹴られたというような瞬間的な外力ではなくて、走り過ぎによってヒザが痛んでしまうとか、筋肉が痛んでしまうといった、直接の原因がわからないのに痛みがあるというもの。

 小・中学生に多く見られ膝関節痛を引き起こすオスグッド・シュラッター病がそれに当たります。成長期は骨がどんどん伸びていきますが、筋肉の成長が追いつかなくなると筋肉が過緊張になって骨へのストレスが大きくなります。

 そこにスポーツで筋肉をたくさん使えば成長期の弱い骨は耐えられなくなるのです。」

 確かに編集部にもオスグッドで悩んでいる子どもたちや保護者の方からの相談は多い。外傷と違い、直接的な原因がわからないため、子どもたちは痛みに苦しみながらも、ついつい無理をしているという報告をよく聞く。そもそもオスグッドを防ぐことはできないのだろうか?

「100%は無理ですが、オスグッド・シュラッター病になる子どもとならない子どもがいる以上、その違いを見つけ出すことが大切です。太ももの筋肉の硬さが問題ですので。まずはトレーニングの前と後にしっかりとストレッチをすること。

 それとトレーニング後のアイシング。個人によって筋肉の硬さは個人差がありますが、トレーニング前は筋肉を柔らかくするために、トレーニング後は筋肉を硬くしないためにストレッチをする。その時間を工夫することが必要です。

 それ以外にもトレーニングの量も大きな要因です。練習のしすぎはやっぱり体の負荷になりますし、グラウンドの硬さという影響もあります。

 今は人工芝のグラウンドが多いですが、いきなりスパイクを履くのではなくて、トレーニングシューズで練習して、ストップ&ターンの練習のときだけスパイクを履くとか、いろいろやり方があるので、筋肉などの身体的な問題に対するアプローチと、グランドなどの外的な環境に対応するアプローチの両方を心がけてほしいですね」

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