指導者は「金の卵を育てている認識を持つべき」。ミゲルが語る「失敗」の必要性

2017年11月22日

コラム

フットサルで子どもの”引き出し”を増やす

 ジュニア年代は学びの場だから、勝利主義では学ぶものが減ってしまいます。しかし、勝利だけにこだわらなければ、たくさん工夫できることが見つかります。例えば、サッカーの練習にフットサルボールを活用することです。フットサルボールは反発力がなく、ボールが遠くに飛ばないのでロングボールが蹴れません。だから、ロングボールに頼らない発想でプレーするようになります。

 具体的には、ボールをキープするための体の使い方、ボールを運ぶときの姿勢の作り方といったオン・ザ・ボールのスキルと、サポートの仕方といったオフ・ザ・ボールのスキルとサッカーに必要な両方のスキルを子どもたちに身につけさせることができます。それはアイディア=引き出しを増やすことにもなります。フットサルボールを使えば、ボールを持つことが怖くても持たざるを得ません。ボールを持った状態で、目の前の状況を解決しなければならないのです。結果的に、そのことと向き合うことがより良いアクションの構築と経験、そして、それらの増加につながります。

 私は、ミニゲームではフットサルのルールを取り入れることも行っています。例えば、サッカーの試合では、GKがスイーパー的な役割としてペナルティエリア外に飛び出し、ボールを外に蹴り出すことができます。しかし、フットサルのGKはペナルティエリア外でボールに触れてはいけないため、フィールドの選手がシュートまで持っていける回数が格段に増えるのです。それは、GKも純粋にゴールを守る機会が増えることを意味します。だから互いにとって、自分たちのプレーのスキルを伸ばせるのです。

 フットサルを活用することは、ゴールに対して「攻める」「 守る」という頻度を増やすだけでなく、子どもたちにとってはカバーリングやマークなど守備に関する基礎的な戦術も身につけられます。体の向き、視野の確保、スタンス、集中力、コーチングなど、攻守に不可欠なスキルをバランスよく学ぶ機会が得られます。もちろん「フットサルばかりをやればいい」というわけではありませんが、私たち指導者がフットサルを適度にサッカーに組み込めたら、やる意味は非常に大きくなるはずです。

【連載】ミゲル・ロドリゴが教えてくれた「才能を引き出す」11の魔法


<プロフィール>
ミゲル・ロドリゴ

1970年生まれ。スペイン・ヴァレンシア出身。イタリアのルパレンセ・パドヴァやロシアのディナモ・モスクワ、スペインのカハ・セゴビアなどで指揮を執った経歴を持つ。2009年6月〜2016年2月までフットサル日本代表監督を務め、その後、フットサルタイ代表監督に就任し、現在はフットサルベトナム代表監督として手腕を振るう。FIFAインストラクター、スペインサッカー協会フットサル指導者資格を保持。

 

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