JリーグMVP&得点王に輝いた小林悠の少年時代。得点力の秘密はジュニア時代に身につけた“自らの武器”

2017年12月07日

インタビュー
タグ:  

KAWASAKI, JAPAN - MARCH 10:  Yu Kobayashi of Kawasaki Frontale celebrates his side's win in the J.League J1 match between Kawasaki Frontale and Kashiwa Reysol at Todoroki Stadium on March 10, 2017 in Kawasaki, Kanagawa, Japan.  (Photo by Ken Ishii - JL/Getty Images for DAZN)
【小林悠選手は中学時代、フロンターレのユースセレクションに落ちるなど挫折を経験した】

成長や環境に合わせてプレースタイルを変化させていった

――リフティング、駆け引き、基礎技術以外で今に活きていることはありますか?

 とりあえず負けず嫌いだったことは活きていると思います。練習の最中から負けちゃいけないという気持ちは持っていました。小さいころから練習のミニゲームで負けても泣くくらい悔しがっていました。すぐ泣くキャラだったのですが、負けたくなかったからでした。

――負けず嫌いは気持ちの強さにつながりますね。

 技術も大事ですが、気持ちも同じくらい大事だと思います。もし、そのときはまだ技術が足りない部分があったとしても、うまくなりたいという気持ちがあれば練習に取り組めますし、そうすれば自ずとうまくなれると思います。気持ちで負けていたらやっぱり勝てないと思います。勝ちたい、勝ちたいと思うだけでなく、そこでどうしたら勝てるのかと考えることも大事だと思います。

――子どもの頃に転機となったことはありますか?

 中学校時代ですかね。僕は小学校の頃は東京都選抜とか、関東選抜とかに選ばれていて、町田では結構有名でした。JFCでも一個上の代に入るくらいだったので、そのころは自分でもうまいと思っていたんですが、中学校で身長がぱったり止まってからは大変でした。周りが成長期でどんどん大きくなっているのに、僕は背が低くて足もあまり速くなく、また体も細かったので、フィジカル面では全然勝てませんでした。でも、そうなったら技術で勝負するしかないので、中学校のときは技術を磨いていました。小学校時代はプロサッカー選手になれると思っていましたが、中学校に入ってからは正直ムリだなと思ったこともありました。また高校に上がるときにフロンターレユースにも落ちましたし、あれは一つの挫折でしたね。自分の中では暗黒時代でした。でもサッカーが大好きだったので、辞めたいとは思いませんでした。

――中学校時代に覚えた新しい技術は?

 自分で打開するのが難しかったので、周りの選手を使うこと。足の速い選手にパスを出すことは意識していました。あとは、ボールを受けたときに、相手のプレッシャーを感じる前に、味方にはたいてまた動くということをやっていましたね。相手にぶつかられると勝てないので、足元に入ったボールをそのまま足元に止めるのではなくて、アウトサイドとかを使って、ターンするということは意識していました。そうすれば相手にぶつけられずにワンタッチで入れ替わることもできます。このときに培った技術は、今でも活きている部分があると思います。

――高校時代はどんな選手だったのですか?

 高校に入って身長が伸び、そうしたらスピードとジャンプ力がついてきてスタイルが変わりました。中学生の頃はパスが好きだったんですが、高校に入るとそれに加えて得点を奪えるようになって、徐々に結果を出せる選手になりました。ただ、ゴールへのどん欲さはまだまだでしたが。

――ストライカーとして一皮むけたきっかけは?

 僕の大学は正直強くなかったので、たまたま1年生から使ってもらえて新人王を獲得できました。2部でしたが、新人王になると関東選抜のセレクションとかに行けるんです。そこで1部のすごい選手と一緒にプレーして、そのときに今のままじゃ全然ダメだと思い、結果を残すしかないと考えてゴールにこだわるようになりました。その結果、3年のときに得点王をとれて、それがフロンターレ入りにもつながってくるのかなと思います。

――成長や環境に合わせてプレースタイルを変化させたということですね。

 そうですね。特徴はチームによって変わることもあると思うし、自分の成長によって変わっていくと思います。でも、その時々で練習する技術的なことは、絶対にその先でも活きると思いますし、やればやるだけうまくなるので絶対にやっておいたほうがいいと思います。ただ、プロになる選手は絶対に何かしら武器はあるので、いろんなことが平均的にうまい選手よりも、自分は何か一つこれという武器を持っていたほうがいいと思います。一つ特徴があると、他の技術もそれに引っ張られるようにして追いついていくので。例えば、自分にはまった形でもいいと思います。この位置でもらったらシュートまで持っていけるとか、この位置だったら裏のとり方がわかるとか。もちろんDFだったら1対1で絶対に負けないとか、そういうものがあったほうがいいと思います。

――どうすればそういう武器を見つけられますか?

 例えば、自分が好きな選手を見て思ったことをやってみることも大事だと思います。真似をしてもいいと思いますし、まずはやってみるといいと思います。試す中で成功したときに「こんなことができるんだ」という発見があって、それを何回もくり返すうちに自分の武器になることもあると思います。いろんなことを試して、成功したこと、楽しかったことを何回もくり返すのが非常に大事じゃないかなと思います。

KAWASAKI, JAPAN - DECEMBER 02:  Yu Kobayashi (L) of Kawasaki Frontale celebrates scoring his side's second goal with his team mate Akihiro Ienaga (R) during the J.League J1 match between Kawasaki Frontale and Omiya Ardija at Todoroki Stadium on December 2, 2017 in Kawasaki, Kanagawa, Japan.  (Photo by Koji Watanabe - JL/Getty Images for DAZN)

カテゴリ別新着記事

お知らせ



school_01 都道府県別サッカースクール一覧
体験入学でスクールを選ぼう!

おすすめ記事


Twitter Facebook

チームリンク