当てられるのではなく当てにいく。小柄なストライカーが屈強なDFと渡り合うコツ
2018年02月22日
サッカーエンタメ最前線プレミアリーグで首位を独走しているマンチェスター・シティのセルヒオ・アグエロは小柄ながら多くのゴールを奪う世界的なストライカーです。なぜ、ゴールを奪うことができるのでしょうか。今回は、アグエロのプレーからストライカーが身につけておくべきプレーについて紹介します。
文●中澤捺生/ジュニサカ編集部 写真●Getty Images
フォワードには必然的に相手ディフェンダーがマークに付きます。パスを受けても、ディフェンスに当たり負けて前を向けなかったり、寄せられて、ボールを奪われてしまってはゴールに近づくこともできません。そこで、ディフェンダーを剥がすために重要になるのが「体の使い方」です。
マンチェスター・シティで活躍するセルヒオ・アグエロ(アルゼンチン代表)は、世界を代表するストライカーの1人です。彼は身長173㎝と小柄ながらも、体全体を上手く使いながら、ドリブルでゴール前まで持ち込んでゴールを奪うことができるプレイヤーです。
なぜ、彼は小柄ながらも屈強なディフェンスを前に競り勝つことができるのでしょうか。
アグエロはディフェンダーにただ体を当てられるのを待つのではなく、自分から体を当てにいっています。動画の4分54秒~(ワトフォード戦)は象徴的なシーンです。ボールを持ったアグエロは寄せられる前に自ら体をディフェンダーに当てて、ドリブルをするためのスペースを作ります。
また、ポストプレーをする際も、ただボールを受けにいくのではなく、最初にディフェンダーに体を当てて、手や腕を使いブロックしながらパスを受けます。そうすることで、上手くボールをキープしてマンチェスター・シティの攻撃を活性化させています。「体を当てられる」のではなく「体を当てにいく」。これがアグエロの真骨頂です。小柄でも大柄なディフェンダー相手にチャレンジし続けて、自らの武器へと昇華する。アグエロのこういった姿勢は、日本のサッカー少年たちもぜひ参考にしてみてください。
最後にアグエロのプレーにおいて象徴的なゴールをひとつ紹介します。それは2011年に6-1でシティーが大勝した”マンチェスターダービー”の試合でアグエロが奪った3点目。右サイドからのクロスボールをアグエロが蹴り込み、ゴールを奪ったシーン(3分5秒~)です。
クロスが上がる前にユナイテッドのDFフィル・ジョーンズ(イングランド代表)が体を寄せにいきましたが、アグエロが体や腕を使い前に入れさせませんでした。体を当てて良いポジションを取れたからこそアグエロはゴールを決めることができました。
ゴール前でマークを外す動きだけでなく、あえて体を当てて”有利なポジション”を取る。ドリブルやポストプレーだけでなく、ゴール前でのポジション争いでも、アグエロは体を上手く生かして有利な状況をつくりだしています。ゴールシーンはシュート場面にのみ意識がいきがちですが、シュート前の些細なプレーにこそ、真のストライカーの技がつまっています。そういったところを注目してサッカーを見るのも上達への近道です。
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