徹底討論! 少年サッカーにおけるドリブル指導の本質とは/座談会企画<前編>
2018年03月01日
コラム
【「競技者」として成功したいという気持ちが子どもたちにあるのなら、指導者はサッカーとしてしっかり教えていかないといけないと屋良充紀さん(エスコリーニャFC・リーベルプントFCで代表)は話す】
ドリブルだけがすべてではない
吉村 みなさんドリブルはサッカーにおいてひとつの手段でしかないという考え方かと思いますが、対戦するチームなどに「ドリブルにこだわっている」な、と感じるチームやスクールはありますか?
屋良 ありますね。試合会場に行くと『遊べ、遊べ』とコーチが子どもたちに叫んでいるチームがあります。そういったチームの選手は、とんでもない場所でヒールリフトをして、失敗していたりしますね。彼らの言う「遊べ」は、ヒールリフトだとか”曲芸的”なプレーのことを指していると思います。
ただ、失敗したときに「それはまずいだろ」「そこでやるべきプレーなの?」というコーチングも耳にします。もちろん、その場面で成功すれば良いのですが、ゴールには直結していません。すべては、ゴールに直結する逆算の中で、曲芸的なプレーが当てはまってプレーできていなければ、サッカーの競技として成り立ちません。
例えば、3on3ならば遊んでいいんです。でも、サッカーの試合に出場しているわけですから、そういう場合はたしなめてあげないといけません。
その選手がジュニア→ジュニアユース→ユースと、上のカテゴリーに行ったときに、右も左も分からない状態になることを防ぐための指導をしていかなければなりません。ネイマールは自陣ゴール前でいきなりヒールリフトをしませんからね。やるなら敵陣内でスタンドに近いところでやりますよね。
それに付随する話をすると、ある地域のトレセンでは1分間リフティングができなければ、トレセンのメンバーから「落とす」という発想も未だにあります。そうなると『あの子は100回できて、僕は3回しかできない』と、劣等感から始まります。
そういったことばかりになっていたら、それはもう“競技”ではないです。もちろん、サッカーをして自分が満足すればいい、遊べればいい、というブラジル人のような考えもありますが「競技者」として成功したいという気持ちが子どもたちにあるのなら、指導者はサッカーとしてしっかり教えていかないといけません。
吉村 少なからずドリブルには得意な子、そうではない子がいるかと思います。チームとして『ドリブル』を指導する際にはどのようなアプローチをしていますか?
菊池 練習の時はチーム全体に(ドリブルを)指導しています。しかし、試合の時は個々に話しかけたりすることもあります。例えば、『きみは体も大きいし、パワーもあるから、(ドリブルでなく)キックをすることもありじゃない?』と。
60m、70mをピンポイントで蹴れるなら、ドリブルで運ぶ必要はありません。だから『そういうやり方もあるんじゃない?』と声をかけたりします。
全員がネイマールやメッシのようにドリブラーになる必要はありません。チャビやブスケッツのように自分の個性に合ったスタイルを見つけてプレーする必要がありますから。
渡辺 例えば、指導者が子どもたちにたくさんアドバイスをしても、聞いたことすべてをプレーに移すことは難しいですよね。頭の中を整理したり、プレーのイメージを膨らませたりすることができるのは小学校3年生くらいからなので、4年が終わる頃にはボールを見ないで技術が発揮できるようになってほしいなと考えています。
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