親子はともに成長していく――。試行錯誤しながら進む「家族のサポート」

2018年05月02日

コラム

高橋琉以
【幼少期から親子二人三脚でキックバイクに取り組んでいた。父・洋平さんは当時の反省点をサッカーに生かしている(写真提供●高橋洋平さん】

想いを共有する父と母が、別の視点から支えるサッカーへの取り組み

「少し大きくなってスポーツに興味を持ったときの基礎になるように体操や水泳教室には通わせましたが、本人に好きなものができたら、それをやってもらえればいいかなという思いでした。私たちは琉以がやりたいと言ったことへの準備をするだけです。ああしなさい、こうしなさいとか、ここに入りなさいと言うことはありませんでした。サッカーも私たちから誘導するようなことはなかったんです。なので、どうしてこの子がサッカーを好きになったのか、いまだに疑問なんです (笑)」と洋平さんは不思議がる。

 サッカーの経験がなかった洋平さんは、琉以くんをサポートすべく、時間があれば、ネットや書籍を調べ、保護者向けの講習会があれば顔を出し、得た情報は夫婦間で共有した。そこには洋平さんのこんな思いがあった。

「キックバイクの世界でも、レースに出場するからには練習が必要なのですが、その練習方法は調べればいくらでも得られるものではなく、専門の指導者も練習環境もわずかです。試行錯誤の日々でしたが、子どもがスポーツに取り組むための環境の大切さを実感しましたので、サッカーは練習方法もネットを調べればいくらでも見つけることができますし、クラブやスクールの情報も山ほど検索できますから、子どもの目指すものに適した環境を見つけてあげたいんです」

 こうした琉以くんのサッカーへの取り組みについては「二人の間(父と子)に信頼関係が出来上がっているので」と母親の佳子さんは口を出さないように心がけている。

「私は琉以に対して、挨拶や仲間とのコミュニケーション、コーチやお世話になった人への感謝や尊敬の気持ちをもつことができているかが気になります。ただサッカーが上手くなればいいのではなく、日常生活にも通じる部分ですので大切にしてもらいたいところです。このように、サッカーを通じた子育てとしては、夫婦で視点が違うのでバランスは取れていると思うのですが……でも、どちらもうるさく言ってしまうタイプなので、琉以はたまったものではないかもしれませんね」と笑みを浮かべた。

 やがて取材も一息ついたところで、洋平さんは「自分が子どもだったときと、今の琉以とで決定的な違いがあるんです。自分が同じ年代のときに、将来への明確な目標を持つことなんてできませんでしたから、息子の夢を尊重してあげたいと思っているんです」と振り返った。

「私からは、こんな職業に就いて欲しいという希望は特にありません。この子自身が望む将来に対して精一杯サポートしてあげたいんです」(洋平さん)

「将来どんな職業に就くかは、自分自身で見つけるでしょうから、本人が、それを見つけるためのお手伝いをするだけです」(佳子さん)

 琉以くんが目標としているのは、スペインのFCバルセロナやRCDエスパニョールで活躍すること――。

 だから、今は、我が子がサッカーを思い切り楽しむために最高の環境を用意してあげたい。そんな父・洋平さんと母・佳子さんの共通の想いが、琉以くんのジュニアサッカーライフを支えていた。

高橋家

<関連リンク>
サミーサッカープロジェクト【5/27 第2回サミーフィールドプログラム開催決定】

 

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